出版社内容情報
ギタンジャリ”とは“歌のささげもの”を意味するベンガル語。時代や地域を隔てた言葉は、現代日本人に共通の普遍的メッセージ。
インドを代表する詩人・タゴールの詩集『ギタンジャリ』(邦訳:川名澄)による混声合唱とピアノのための組曲。東洋大学白山グリークラブの創立50周年を記念して委嘱され、同団により2012年に初演された。(指揮=塚田佳男/ピアノ=小原孝)
“ギタンジャリ”とは“歌のささげもの”を意味するベンガル語で、詩は全篇の作者である“わたし”から永遠の存在“あなた”(=神、永遠、宇宙、自然、愛、希望…)へ捧げる歌の形式をとる。組曲は「光よ、私の光よ」「一日が終わろうとしている」「蓮の花が咲いた日」「昼も夜も」の4曲からなり、時代や地域を隔てた詩人の言葉を、現代日本人に共通し得る普遍的なメッセージとして歌う。音楽は大きなスケールでタゴールの世界を描き出し、神秘的な転調や生命の鼓動を刻む力強いリズムなど、瑞々しく多彩な楽想を展開する。合唱パートは中級程度で取り組みやすいが、充実したピアノパートと相俟って高い演奏効果を生む作品。
[曲目]
光よ、わたしの光よ
一日が終わろうとしている
蓮の花が咲いた日
昼も夜も
【著者紹介】
訳詩:愛知県名古屋市生まれ。文筆家・翻訳者。訳書に、ディキンソン詩集『わたしは誰でもない』、タゴール詩集『迷い鳥』、『螢』(風媒社刊)がある。