出版社内容情報
わが国初の、子どもたちの現場向けドラムサークル実践ガイド。単に音楽の授業の導入としてだけでなく、様々な効果が期待できる。
わが国ではじめての、子どもたちの現場に焦点を絞ったドラムサークル(DC)実践ガイド。DCは単に音楽の授業の導入として用いるだけでなく、全校音楽や、音楽発表会、特別活動の時間にも有用。DCを導入することによって、教師は児童・生徒に「全員が揃って」「決められたことを」「やらせよう」という視点ではなく、子どもたちの「自由な表現」を、「引き出し」、「方向づける」ファシリテーションに徹する必要がある。また、子どもたちは短い活動であっても、脳内が活性化され、その後の学習を促進すること、他人の音やリズムを聴き合うことで、集中力が増し、協調性が高まることなどが確認されている。
DCとは何か、ファシリテーションとは何か、をかいつまんで説明する序章に続いて、日本の教員による授業実践、アメリカの教員に向けた実践、そして、外部指導者による実践、とさまざまなケースを紹介する。著者は、DCの普及に力を注いでいる、ドラムサークル・ファシリテーター協会(DCFA)の主要メンバー3人に、一昨年、昨年の「ドラムサークル・フォー・ティーチャーズ」に来日し、好評を博したメアリー・クニシュ氏。セロトニン研究の第一人者、有田秀穂さんの特別寄稿も交えた、充実した内容で、DC導入を検討している先生方の背中を押す。
はじめに ドラムサークルとは?
PART1 ドラムサークルの特徴と基礎知識=石川武
1.ドラムサークルの基本―ファシリテーターって何?
2.使用する楽器の基本
3.ファシリテーションとは―脳科学との関連から見る―
4.〔特別寄稿〕セロトニンとリズム運動(有田秀穂)
PART2 教員による授業実践―日本編=菊本るり子
◎学校でのドラムサークル
◎学校で取り組むには―始めるにあたって
実践例-1 スタンダードなドラムサークル例
実践例-2 自由なリズムで
実践例-3 まねっこリズム
実践例-4 ストップで楽しむ
実践例-5 エアードラミング
実践例-6 音のコントラストを楽しむ
実践例-7 体の動きを使って
実践例-8 声を使って
実践例-9 地球一周
実践例-10 一体感を楽しむリレー
実践例-11 8(エイト)カウント
実践例-12 セレブレーション・ドラムサークル:目的をもって
実践例-13 アクシデントも楽しさに
PART3 指導者による実践―アメリカ編=メアリー・クニシュ
実践例-1 ブレス・トゥ・サウンド・ゲーム/バブル・フリーズ・ゲーム
実践例-2 ハートビート・リズム
実践例-3 ボディドラム・ソング
実践例-4 ビッグビート ―リズムを算数、拍子に結び付ける
実践例-5 ドラムで会話
実践例-6 「シード・リズム」ゲーム
実践例-7 インターロッキング(重なり合う)リズム・ゲーム
実践例-8 スティッキング・ゲームによるチームビルディング
実践例-9 指揮者ゲーム―独創的な指揮
PART4 指導者による実践―日本編=飯田和子、石川武
◎教員以外の指導者によるドラムサークルの基本
◎外部ファシリテーターにとっての学校ドラムサークル
◎学級ドラムサークル―基本の構成
◎実践、はじめの一歩
実践例-1 学級ドラムサークルの導入例:始め方
実践例-2 導入段階の基本―アテンションからストップ
実践例-3 個のクローズアップから全体の盛り上がりへ
実践例-4 静かなドラムサークル
実践例-5 盛り上がりからエンディングへ
実践例-6 ある小学校での歩み
実践例-7 児童館・学童保育(放課後児童クラブ)でのドラムサークル
実践例-8 幼児のドラムサークル
実践例-9 高齢者施設でのドラムサークル
実践例-10 障がいのある子どもたちとのドラムサークル
実践例-11 大人数のドラムサークル
実践例-12 コミュニティでのドラムサークル
情報:ドラムサークルで使用する楽器類、DCFAなどの団
執筆者プロフィール
おわりに
【著者紹介】
パーカッショニスト、(株)ケン・ミュージック教育事業部長、REMOエンド―サー、DCFA副理事長。
目次
1 ドラムサークルの特徴と基礎知識(ファシリテーションの基本 ファシリテーターって何?;ファシリテーションの実際 ほか)
2 教員による授業実践―日本編(学校でのドラムサークル;学校で取り組むには 始めるにあたって ほか)
3 指導者による実践―アメリカ編(ブレスからリズムへ、動きに音を;ハートビート・リズム ほか)
4 指導者による実践―日本編(教員以外の指導者によるドラムサークル;外部ファシリテーターにとっての学校ドラムサークル ほか)
著者等紹介
飯田和子[イイダカズコ] [Knysh,Mary E.]
「IIDA MUSIC SPACE 和」主宰のピアノ教師、ドラムサークル・ファシリテーター。DCFA理事、同認定SF。東京学芸大学音楽科作曲専攻卒業。公立小学校音楽専科教諭、東邦音楽大学附属高校講師を経て、1982年米国コロンビア大学でロバート・ペースのピアノ教育学を受講。ペースメソッド研究会を組織し、月刊誌『ムジカノーヴァ』への執筆やセミナーなど、啓発に努める
石川武[イシカワタケシ]
パーカッション・ドラム奏者、ドラムサークル・ファシリテーター。米REMO社エンドーサーおよび公認ファシリテーター、DCFA副理事長。REMO社が日本でドラムサークルを紹介するツアーに通訳・進行係として参加したことをきっかけに研究、実践を開始。DCFAの設立に参加。数々の多様なコミュニティでのドラムサークル企画、運営に関わる。RIZKEN専任講師、各種専門学校非常勤講師を務めるほか、昭和音楽大学で後進の育成に励んでいる
菊本るり子[キクモトルリコ]
東京都板橋区立高島第五小学校教諭。DCFA理事、同認定SF。東京学芸大学音楽科ピアノ専攻卒業。2003年から小学校の音楽の授業にドラムサークルを取り入れる。板橋区音楽研究部ドラムサークル研究会で授業への応用を研究。2003年より6年生の総合的な学習で「緑のカーテン」を展開、緑のカーテンの全国的な広がりのきっかけとなる。全国各地で、ドラムサークルや音楽関係のワークショップ、緑のカーテン関係の講師を務める。第2回・第4回東京新聞教育賞、平成20年度東京都教育委員会職員表彰、平成21年度文部科学省大臣優秀教員表彰などを受賞
クニッシュ,メアリー[クニッシュ,メアリー]
プロミュージシャン、レコーディング・アーティスト、ファシリテーター養成者。REMO社の推薦ファシリテーター。オルフ・シュールヴェルク臨床者としてオルフ会議に出席。ニュージャージー青年オーディエンス、ペンシルバニア芸術協議会、ニューヨーク州協力教育部門評議会など教育、ヘルスケア分野、コミュニティで活躍。ミュージック・フォー・ピープルのマスター教師も務める。2011年、2012年の「ドラムサークル・フォーティーチャーズ」ゲストファシリテーター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。