内容説明
本書はNHK‐FMで放送された「ブラームスの音楽と生涯」を再構成してまとめたものである。ここには氏の豊かなバックグラウンドから導き出された鋭い分析と共感に満ちたブラームス論が率直な語り口で展開されており、より深いそして新たなブラームスの魅力を伝えてくれる。ファン必携の書。
目次
第1章 少年時代からシューマン夫妻との出会いまで―三つのピアノ・ソナタ、ピアノ三重奏曲第一番、四つのバラード
第2章 青年作曲家ブラームスとクララ・シューマン―セレナーデ第一、二番、ピアノ協奏曲第一番、弦楽六重奏曲第一番
第3章 ウィーンへ―ピアノ四重奏曲第一、二番、ピアノ五重奏曲、パガニーニ変奏曲、弦楽六重奏曲第二番、チェロ・ソナタ第一番
第4章 最初の栄光 ドイツ・レクイエム―ドイツ・レクイエム、弦楽四重奏曲第二番、アルト・ラプソディ
第5章 ブラームスと友人たち―ハイドン変奏曲、ピアノ三重奏曲第三番、雨の歌
第6章 最初のシンフォニー―交響曲第一、二番、ヴァイオリン協奏曲、ヴァイオリン・ソナタ第一番
第7章 名声につつまれて 豊麗な円熟期―大学祝典序曲、悲劇的序曲、ピアノ協奏曲第二番、ピアノ三重奏曲第二番、弦楽五重奏曲第一番、交響曲第三番
第8章 最後のシンフォニー―交響曲第四番、チェロ・ソナタ第二番、ヴァイオリン・ソナタ第二、三番、ピアノ三重奏曲第三番、二重協奏曲、弦楽五重奏曲第二番
第9章 たそがれ―クラリネット五重奏曲、クラリネット・ソナタ第一、二番、四つのピアノ小品集、四つの厳粛な歌
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ろべると
6
作曲家ブラームスは顎髭を蓄えた老人のイメージが強いが、若い頃は大変な美青年だった。でも先輩作曲家ロベルト・シューマンの妻でピアニストのクララに想い焦がれ、夫シューマンの死後もラブレターを送り続ける。そして独身のまま歳月は過ぎ、クララの訃報に駆けつけ埋葬を見送った後に体調が悪化し、後を追うように64歳で亡くなる。本書はラジオで長く放送された番組をリスナーが録音していたものから書き起こされたそうで、高名な評論家である吉田が平易で親しみやすい語り口でブラームスの生涯と作品を紹介してくれる良書である。2022/06/16
DRYM_8
0
曲紹介はすこしずつ飛ばして読みました。歌曲をたくさん作ったのだなぁ、知らなかった。クララが亡くなり、葬儀に間に合うように急いで駆けつける、そのあたりの表現に泣きそうになりました。一握の砂を書けられただけという記述、ブラームスの内心に思いはせずにはいられない。2013/08/23
うな坊
0
勉強になりました。ブラームスにこんなに歌曲があるとは。2012/06/10