内容説明
少年時代、直接ブルックナーの人格に触れる機会に恵まれた著者ヴォルフは、その後ブルックナーと親交のあったニキシュやビューローといった指揮者たちとの交遊を通し、さらに指揮者としての体験を加え、単なる楽理的理解を越えた生きたブルックナー論を展開している。
目次
第1部 その生涯と人となり(生いたち;修業時代;ワーグナーとの出会い;成熟時代;ウィーンでの生活;晩年;最後の年)
第2部 創造力の根源(その精神性の基盤)
第3部 作品(交響曲の性格;交響曲への試み;九つの交響曲;その他の作品)
第4部 ブルックナー問題
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Susumu Kobayashi
1
著者は幼い頃に晩年の作曲家に会っているという人。第一部 その生涯と人となり、第二部 創造力の根元、第三部 作品、第四部 ブルックナー問題、から構成されている。ページ数から言って、第一部と第三部がほとんどをしめる。第一部の作曲家の生涯はこれまでに紹介されたエピソードが多いが興味深い。第三部は音楽書の通例として譜例を示しながらの曲の解説で、作品に良く通じていないと分かりづらいだろう。この作曲家について書かれた本は、今でもあまり多くはないので貴重である。 2013/07/07