出版社内容情報
十二音技法を生み出し、ベルクやウェーベルンらとともに新ウィーン楽派を立ち上げ後世に多大な影響を与え続ける20世紀最大の作曲家のひとり、アルノルト・シェーンベルク(1874-1951)が定番伝記シリーズに登場。ブラームス、R.シュトラウス、そしてマーラーたちが君臨する当時の超保守的なウィーンやベルリンの楽壇で、独学の天才シェーンベルクはいかにその楽才を育んだのか。さらに、アメリカへの亡命を機にユダヤ人としてナチスに立ち向かっていくなかで彼が目指した音楽とは――
全体は生涯篇、作品篇、資料篇の3部構成。生涯/作品篇では、近現代のドイツ音楽を専門とする気鋭の著者が、歴史に翻弄された孤高の作曲家の生き様を音楽的な変遷を織り交ぜながら圧倒的な筆力でもって描き切る! 資料篇では作品番号付きのものに加え、番号が付されてないものも全て収載し、創作を広く概観できる。知識を吸収すると同時に、シェーンベルク作品を聴く耳をも開いてくれる一冊。
内容説明
その音楽は、伝統か革新かあるいは、天才か狂気か―。20世紀最大の音楽家のひとりにして、十二音技法という新たな音楽語法の創出者。独学の天才がいかに学び、ユダヤ人としてナチスに立ち向かう先に見たものとは?“難解な作曲家”のイメージを覆す、シェーンベルク伝記の決定版!
目次
生涯篇(幼年期~青年期(一八七四~一八九四)
青年期(一八九四~一八九八)
世紀末ウィーン―音楽と性愛(一八九八~一九〇〇)
最初のベルリン時代(一九〇一~一九〇三)
ウィーン、再び(一九〇三~一九〇七)
調性の限界を超えて(一九〇八~一九一〇)
二度目のベルリン時代(一九一一~一九一三)
第一次世界大戦(一九一四~一九一八)
試行錯誤の時代(一九一七~一九二一)
十二音技法(一九二一~一九三三)
ユダヤ教への回帰と亡命(一九二一~一九三三)
新天地アメリカ(一九三三~一九四四)
亡命作曲家として(一九三三~一九四四)
晩年(一九四五~一九五一))
作品篇(調性時代(一八九八~一九〇八)
表現主義・無調時代(一九〇八~一九二〇)
十二音技法黎明期~中期(一九二〇~一九三三)
アメリカ亡命以後(一九三三~一九五一))
資料篇
著者等紹介
浅井佑太[アサイユウタ]
1988年大阪生まれ。京都大学文学研究科で美学美術史学(修士)を、ケルン大学音楽学研究所で音楽学(Dr.phil.)を学ぶ。2017年にパウル・ザッハー財団訪問研究員、2019年にアントン・ウェーベルン全集編纂所実習生(バーゼル大学)をつとめる。2021年より、お茶の水女子大学音楽表現コース助教。専門は19~20世紀のドイツ語圏の音楽、新ウィーン楽派、音楽文献学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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