出版社内容情報
チェコ音楽の研究第一人者によるドヴォルジャーク伝の決定版。交響曲「新世界より」で超有名なこのチェコが生んだ偉大な作曲家の魅力に、最新の研究と資料を基に迫る。
内容説明
『新世界より』をはじめ、郷愁に満ちた数多くのメロディを紡ぎだし、素朴なあたたかさで、生の喜びを表現したドヴォルジャーク。チェコの田舎の少年が、国際的な名声を得るまでの生涯を、その作品群の魅力とともに描く。
目次
生涯篇(序:チェコ国民楽派の成立とその歴史的背景;揺籃期:青年期と修業時代(一八四一‐一八五九)
音楽家としての第一歩(一八六〇‐一八七一)
プラハにおける作曲家としての第一期(一八七一‐一八七四)
作曲家としての国際的な発現(一八七四‐一八八一)
自問の時期(一八八二‐一八九一)
「新世界」にて(一八九二‐一八九五)
晩年の創作(一八九五‐一九〇四))
作品篇
資料篇
著者等紹介
内藤久子[ナイトウヒサコ]
香川県生まれ。1996年大阪大学大学院文学研究科博士後期課程(芸術学専攻音楽学)修了。文学博士。1983年~1985年までチェコスロヴァキア政府給費留学生として現ブルノ・マサリク大学にて音楽学を学ぶ。現在、鳥取大学地域学部地域文化学科(文化構造論講座)助教授(音楽学・音楽文化史論)
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感想・レビュー
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のっち♬
103
肉屋の長男に生まれ、父の反対を押し切って音楽を選んだドヴォルジャーク。駆け出しの頃はピアノも買えず音楽も満足に聴きにいけず貧困に喘いだようだ。歩みは地道で芯が太く、ブラームスの支援で成功しても名声をさして傲らない。教育熱、鉄道趣味、民族・祖国愛、敬虔…生涯ブレない素朴な性質は形式の明晰さや堅固さ、循環性にもよく現れている。出版社の多重契約を誤魔化したり、渡米時にホームシックで自暴自棄になる逸話は物静かな彼の人間味が垣間見れて印象深い。「いずれの地で創作しようとも、それは単純に『真のボヘミアの音楽』なのだ」2022/04/13
よしださいめい
2
ドヴォルザークの伝記と、作品についての解説あり。 巻頭からチェコ国民楽派が誕生するまでのチェコの音楽史を解説し、ドヴォルジャークの音楽が生まれた背景を知り、理解することができている。 評伝として少し物足りない感じもする。何と言うか文体が冗長過ぎる。 もう少し曲そのものの解説もほしかったが、評伝なので、いたしかたないか。 2020/04/26
psy
2
大層興味深い内容でした。チェコの音楽史から詳しくなれそう・・・この人のオペラを観てみたいんですが、新国の小劇場シリーズとかでやってくれないでしょうか・・・ドヴォコンまた聴きたくなりました〜♪2009/11/24
颯
1
ドヴォルザークの鉄道趣味についての記述で何度か出てくる「エンジン」というのは、英語のEngineがそのままなんだろうね。たぶん日本語でいうエンジンではなくて機関車のことだよね。そんなことどうでもいいんだけどさ。2020/01/18
くろたくち
1
天才派作曲家ドヴォルジャークの伝記です。2015/05/17