コンサートは始まる―小沢征爾とボストン交響楽団

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コンサートは始まる―小沢征爾とボストン交響楽団

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  • サイズ B6判/ページ数 324p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784276217836
  • NDC分類 764.3
  • Cコード C1073

内容説明

1986年から87年にかけてのボストン交響楽団のシーズンはマーラーの一連の演奏と録音、さらに「ヴォツェック」の上演をかかえる重要な年であった。そのなかで起こったひとりの管楽器奏者と指揮者との確執問題を通して、リハーサルから本番までの日常の活動と過程を追いながら、オーケストラと指揮者の関係をジャーナリストの目で鋭く、ヴィヴィッドに描いたドキュメンタリー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

51
ボストン交響楽団で音楽監督の小澤征爾先生と首席Tpのチャーリー・シュレイター氏との確執を中心に物語は展開する。マーラーの「復活」のリハーサルを中心に、指揮者と奏者との緊張感のある関係が赤裸々に描かれ、プロの凄まじさをまざまざと見せつけられる。アマチュアの私たちは、芸術を通して豊かな人間関係や心の安らぎを求めたりするものだが、プロの音楽家は、芸術の成就という目的のために、これほどの葛藤と苦悩にもがき苦しむものかと圧倒される思いで読む。BSOの一員になってリハーサルに参加しているような臨場感のあるルポである。2020/06/06

おとん707

11
音楽監督小澤征爾とボストン交響楽団の1986-7年シーズンの緊張した舞台裏を特に首席トランペット奏者チャーリー・シュレイターと小澤の確執を軸にドラマチックに描いている。多くの関係者の発言をもとに構成されているが小澤に対する批判が目立つ。ただ、それに対し小澤にも取材しているわりには小澤の発言の引用は少ない。なので全体の基調は小澤に批判的に感じる。マーラーの交響曲第2番と第5番のリハーサルの描写は具体的だ。私も手元のスコア(総譜)を開き、確かめながら読んだ。世界最高水準の音楽作りの現場とはなんと過酷なものか。2024/05/07

pollack

8
ボストン交響楽団(BSO)音楽監督小澤征爾とBSOメンバーの1986~87年でのコンサートとそのリハーサル、レコーディングにおける指揮者vs奏者の人間模様が、Trp首席奏者チャーリー・シュレーターの確執を主軸にして生々しく奏者側目線で描かれています。舞台で見られる華々しい小澤やBSOの表の姿と異なり、奏者と小澤を隔てる深い溝やギクシャクした関係、多忙を極めたスケジュールの中で音楽作りに苦闘する舞台裏の状況や心理はスリリングです。よく29年もBSOの監督を続けられたなあ。今は絶版になっており、惜しい1冊。2016/11/03

以心0508

3
小澤征爾さんが亡くなったため、図書館本で再読。かなり以前だが、ずいぶん小澤さんのことを批判的に書いているなぁと思った記憶がある。今回もなんだかハラハラした。小澤さんはカラヤンのようなビジネスセンス、バーンスタインのようなカリスマ性を持った指揮者とはちょっと違う。きっと、純粋に自分の理想とする音楽を創り出したいという気持ちだったのでしょう。ここ数年は、指揮することもままならず、愛する音楽を取り上げられてしまったような状況だった。今は師匠でもあるカラヤンやバーンスタインと美しい音楽に包まれていることでしょう。2024/05/04

choku_tn

2
トランペット奏者チャーリー・シュレーターを軸としてボストン交響楽団に横たわる人間模様を解きほぐした秀作。楽団員と指揮者の間に散る火花、労使関係、音楽監督への評価など多方向から鋭い筆致で描き込む。地元紙の小澤征爾に対する厳しい論評は「長期政権」だったこと、時が経って「愛されたひと」のイメイジが浸透した現在からすると意外かもしれないが、日本以外のほぼ全ての国では地元紙の評価はおしなべて辛い。カラヤン時代のBPh、バーンスタインとNYPも同じだった。 1999年邦訳出版。

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