内容説明
本書はインタビュー集である。本書は、一連の対話を通じて集めた、我々の時代の極めて魅力的な音楽家のひとりであるレナード・バーンスタインについてのいろいろな意見を、読者にお伝えしようという試みである。本書は、バーンスタインのあらゆる局面での詳細を徹底的に網羅しようというものではなく、むしろ、彼がどのように仕事をし、彼がどうしてああいう行動の選択をしたのか、そして、彼の人生の最後において、彼がどうして、彼の心に抱いた最大の野心―それはシリアスな傑作を書くこと―が果たせないままであると感じていたのか、についてのいくらかのヒントを与えようとするものである。バーンスタインは常に論争の的になっていた。彼にとっての初期のキャリアといえるニューヨーク・フィル時代を通して、彼はニューヨークのマスコミから好意的な批評を受けることができなかった。しかし、同時に、バーンスタインは仲間たちから揺るぎない忠誠心を引き出していた。そのことは、彼と一緒に仕事をしたオーケストラの楽員のコメントによってここに証明されている。だが、本書は彼を賛美する聖人伝のカタログではない。むしろ、本書は、バーンスタインの才能を賞賛すると同時に、彼が抱いていた矛盾や挫折に焦点を合わせようとする試みである。また、彼が晩年にどのように、自分自身の名声の犠牲にある程度までなっていったのかを説明しようとするものである。
目次
1 作曲家が語るバーンスタイン
2 批評家が語るバーンスタイン
3 録音現場にて
4 バーンスタインの腹心
5 演出家が語るバーンスタイン
6 共演者が語るバーンスタイン
7 オーケストラから見たバーンスタイン
8 ブロードウェイのバーンスタイン