シューマンの結婚―語られなかった真実

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  • サイズ A5判/ページ数 166,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784276215320
  • NDC分類 762.34
  • Cコード C1073

出版社内容情報

シューマンとの結婚に猛反対する頑固な父親として伝えられてきたクララの父ヴィーク。果たして真実は?法律家が新真実を明かす。

ロベルト・シューマンと妻クララの結婚に際し、クララの父フリードリヒ・ヴィークは猛反対、あげく裁判沙汰へと発展した。そのためにヴィークは後世、若いふたりの恋路を邪魔した吝嗇かつ頑固な父親像を押しつけられてしまった。本書は法律家である著者の視点から当時の訴訟資料などを精査、シューマンの素行や経済状態から、ヴィークの反対も故なきものではなかったという推察をする。音楽史上もっとも有名なロマンスの隠された真実が明らかになる。

第1章 ロベルト・シューマン─法律家か音楽家か
第2章 ピアノ教師フリードリヒ・ヴィーク 
第3章 ロベルトの将来をめぐる三つの書簡 
第4章 ライプツィヒでのロベルト 
第5章 二人の婚約者─クララとエルネスティーネ 
第6章 失意のウィーン 
第7章 四つの条件 
第8章 訴訟の始まり 
第9章 シューマンの展望とヴィークの異議 
第10章 裁判のゆくえ 
第11章 「歌曲の年」の裏側で 
第12 章 弁護士アイネルトの活躍 
第13章 名誉博士号をめぐって 
第14章 リストとシューマン 
第15章 画策するシューマン 
第16章 もうひとつの訴訟 
第17章 シューマン家の家計簿 
第18章 和解へ 
あとがき 
付 録 訴訟の概略
索 引

【著者紹介】
1939年生まれ。1967年から2005年まで、オランダのハーグ市で弁護士として活動1975年に「デ・ヒッズDe Gids」誌に掲載された、リヒャルト・シュトラウスとシュテファン・ツヴァイクに関する記事で、音楽と文学に関する執筆活動を開始する。著作には、モーツァルト、メンデルスゾーン、リヒャルト・シュトラウスの忘れられたオペラに関するエッセイ集『祝福のない結婚Bruiloft zonder zegen』(1981)、ベートーヴェンとリルケについて書かれた『バケツ2杯の水を汲むTwee emmertjes water halen』(1995)『ハイドンの頭Haydns hoofd』(2004)など(いずれも未邦訳)。

内容説明

ヴィーク(父フリードリヒ)VSヴィーク(娘クララ)。才能あふれるピアニストである愛娘が、不品行な作曲家との結婚を望んだとき―父親はほんとうに「頑固でわからずやな男」だったのか!?19世紀当時の訴訟資料を通じて、音楽史上もっとも有名な愛の物語の知られざる真相に迫る。

目次

ロベルト・シューマン―法律家か音楽家か
ピアノ教師フリードリヒ・ヴィーク
ロベルトの将来をめぐる三つの書簡
ライプツィヒでのロベルト
二人の婚約者―クララとエルネスティーネ
失意のウィーン
四つの条件
訴訟の始まり
シューマンの展望とヴィークの異議
裁判のゆくえ
「歌曲の年」の裏側で
弁護士アイネルトの活躍
名誉博士号をめぐって
リストとシューマン
画策するシューマン
もうひとつの訴訟
シューマン家の家計簿
和解へ

著者等紹介

エイステン,ピート・ワッキー[エイステン,ピートワッキー] [Eysten,Piet Wackie]
1939年生まれ。1967年から2005年まで、オランダのハーグ市で弁護士として活動。1975年に「デ・ヒッズDe Gids」誌に掲載された、リヒャルト・シュトラウスとシュテファン・ツヴァイクに関する記事で、音楽と文学に関する執筆活動を開始する

風間三咲[カザマミサキ]
茨城県出身。作曲を長谷見順子、野平一郎、池辺晋一郎の各氏に、ピアノを榊原道子、ナウム・グルーベルトの各氏に師事。東京音楽大学作曲家を卒業後、ハーグ音楽院ピアノ科に留学する。現在は、通訳・翻訳等の言語サポートを中心業務とする「MMエージェンシー」を設立。2013年より、コルトマン移民弁護士事務所でジャパンデスクも担当する。ハーグ市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Isamash

23
弁護士・音楽文学領域文筆家ピート・ワッキー・エイステン2008年出版著作の訳本。シューマンの妻クララを描いた映画を見て興味を惹かれて本書を手に取る。大学法学部に進みながら結局音楽を選択する若きシューマン、ピアニストを目指すも挫折するシューマン、及びクララとの結婚を巡っての法廷闘争が詳細に書かれていた。一般的には悪者扱いになっているシューマンのピアノ師匠でクララの父を、娘のピアニストとしての成功を最重視する立場を理解するかたちで冷静に描いている。シューマンの酒への耽溺や浪費癖もしかっり書かれていて驚かされた2023/03/20

すいれん

4
ロベルト・シューマンとクララ・シューマンの結婚はクララの父親に反対されて裁判沙汰に…ぐらいは知っていたけど。…シューマンの音楽好きだからダメ人間な所を見ないように触れないようにしてきた分、ショックと幻滅を受けてしまう。そりゃお父さん反対するわ💦裁判を詳細に書かれているけど、その他の読み物も楽しく読了。ショパンの塩対応。「飛翔」は一生弾けるように、こまめに練習してます。ピアノ曲で1番好きな曲。情緒おかしい(褒めてます)ぎりぎりのラインが好きなのかも。2022/02/03

スリカータ

4
シューマンとクララの結婚をクララの父が反対し、裁判に勝訴して晴れて婚姻にこぎ着けたのは有名だが、本書は結婚までの裁判に限定した内容である。著者はオランダ人の法律家。一般にはクララの父が娘を手放したくない余りにシューマンに対して酷い仕打ちをしたことが定説になっているが、本書を読むとそれが覆る。娘を思う父として常軌を逸した訳ではないのだ。そしてシューマンは裁判期間の煩雑さに抗うように、後世に残る名曲の数々を恐ろしい速さで書き上げている。恋人と父親の間に立つクララの心情もよくわかる。なかなか興味深く読めた。2017/08/04

train_tk

2
シューマンと妻クララの結婚をめぐる義父ヴィークとの諍いを、元弁護士の著者が考察した本。公平な観点から当時の法律を元に考察しており、結婚と夫婦の財産権についてなど、知らないことだらけだった。ヴィークの主張の方がむしろ納得できるぐらいで、見方が変わる。2015/08/05

りの

1
結婚に両親の許可が必要だった時代、父親に結婚を反対されたクララは、訴訟を起こさないことには結婚が出来なかった。日本では江戸時代末期に、ザクセン王国ではすでに「遺留分」が法律化されていたことに驚いた。「それまでの長年のクララへの音楽教育は、父親から娘への生前の財産分与であるため、クララは残りの遺産は放棄する」という条件を突きつける父親の厳格さに驚かされる一方、子供の多い時代、家族を守り、養うためには必要な手段だったのかもしれない。ロベルトの酒癖と浪費癖が証明できなかったことで2人が結婚できてよかった。2025/06/30

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