内容説明
音楽そして演奏家へ、愛と感謝をもって謙虚にニュートラルに接してきた著者が、みずからの音楽への入門とふれあいの歴史を思い出等まじえながら綴ったエッセイ集。さまざまな雑誌・新聞への執筆やNHKの音楽番組での解説等、多彩な活動で多くの音楽愛好家の信頼と共感を獲得している著者が、音楽の素晴らしさ、美しさをあたたかく優しく綴った恰好のクラシック入門書である。
目次
第1章 クラシック音楽との出会い(サン=サーンスの『序奏とロンド・カプリチオーソ』は音楽の世界を旅しはじめた幼いききての出会った名曲のひとつだった;オペラの楽しみ方をまだ知らなかった幼いききてにとって、『蝶々夫人』は退屈きわまりないオペラだった ほか)
第2章 ジャズ、そしてポピュラー音楽(イタリアの音楽や絵画、建築、家具はもとより口にいれるものにしても、身につけるものにしても、それにふれた人の気持をうきうきさせるような属性がある;はじめて『直立猿人』をきいたときの、あの身体がガタガタふるえるような感動は今でもよくおぼえている ほか)
第3章 音楽からの贈り物(音楽をきく楽しみを知ったことで、遠い国とふれあっていくうえできわめて示唆にとんだ有効な糸の一本をあたえられたような気がする;カザルスの演奏に耳をすましていると、それまでいじけていた気持に活力をあたえられたような気持になる ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えーた
3
とても心あたたるエッセイ集であるとともに幅広い音楽的な教養も身につく最良の音楽ガイドブックです。「クラシック」と題名にはありますが、著者の意向でクラシック以外のポピュラー音楽なども紹介されています。恥ずかしながらチャールズ・ミンガスの「直立猿人」やキングズ・シンガーズなどを知る事ができたのもこの本のおかげでした。ちなみに表紙の花束を持っているお兄さんは著者ではありません(笑)。何かいい音楽と出会いたい、と思っている人は是非読んでいただきたい一冊です。2016/01/06
kinta
0
一昔前、FM放送などで音楽評論されていた方のクラシック紹介本。 楽曲の紹介、オペラの紹介、そしてアーティストの紹介。 文筆業が専門ではないので、若干行ったり来たりの感はあるものの、優しい語り口と同じような感覚で読んでいける。 連載されていたのが、バブル→発刊されたのがバブル後という四半世紀前の時代の空気感が非常によく現れているエッセイにもなってました。 書かれている楽曲が聞きたいんですが・・・殆ど廃盤です。 探すの大変だ・・・