内容説明
多くの音楽愛好家たちから愛されているモーツァルト。その音楽は一見単純なようでいて、みずみずしく気品に満ちている。オペラ、シンフォニー、ピアノ曲…。幅広いジャンルにわたって数多い作品を残したその中で,ほぼ生涯を通じて作曲を続けたピアノ・コンチェルト全27曲をとりあげ、モーツァルトの音楽の魅力とすばらしさの仕組みを、演奏した側からの視点でときほぐしていく。
目次
序章 ふたりの語り部とモーツァルト―河地良智と渡辺達
第1章 ピアノ協奏曲をめぐる要因(ザルツブルグとヴィーンという「町」;モーツァルトと鍵盤楽器の「変遷」;モーツァルトをとりまいた「人々」;精神的影響を与えた「フリーメイスン」)
第2章 語り部たちの「演奏論」(ピアノ・コンチェルト、ピアノ・ソロの“問題”;原典版への“憧れ”と“こだわり”)
第3章 ピアノ協奏曲27の顔(口調―言葉を持ったピアノ・コンチェルト;道程―熟成したピアノ・コンチェルト;哀悼―師への別れの言葉;愛の讃歌―しみじみとした心の詩;開花―モーツァルトの職人芸;はじける響き―躍動するモーツァルト;ジュピター―広く、高く、そして華麗に;透明―モーツァルトの限りなき無垢な心)