出版社内容情報
ゲーテの詩になる愛唱歌「野ばら」は、シューベルトとヴェルナー作曲の2曲が有名だが、ほかにもベートーヴェンの未完成曲からシューマン、ブラームス、そしてオペレッタのレハールまで多くのメロディが作曲され、その数154曲という学説がある。
テレビ・ドキュメンタリー「童は見たり~世界最大のヒット曲『野ばら』の謎を追う~」は、HBC(北海道放送)が製作し、1987年の文化庁芸術祭で最高賞の芸術作品賞を受賞した。そのプロデューサーである著者(長沼修)が、当時の取材状況や撮影秘話を改めて書き下ろし、いまだに全貌が解明されていない「野ばら」の謎に迫る、伝説のテレビ番組「童は見たり」顛末記。ディレクター(溝口博史)による詳細な資料「野ばらノート」や、コーディネーターだったシュミット村木眞寿美の新たな取材も追加する。様々な「野ばら」20曲を動画作成、QRコードで視聴できる特典付き。
内容説明
ヴェルナーやシューベルトではない「野ばら」をあなたは何曲、知っていますか?ゲーテの詩「野ばら」に作曲した154曲ものメロディーを追って、北海道放送のスタッフは世界13か国を駆け回った。ひとつの歌をめぐる、壮大な歴史と運命の物語。20曲の「野ばら」が聞けるQRコード付き。
目次
ベルリンの壁を越えて
ヴェルナーの「野ばら」 引き裂かれたふるさと
シューベルトの「野ばら」 ゲーテが無視した芸術歌曲
デンマーク、スウェーデン 北欧の「野ばら」を訪ねて
オランダ、イギリス、ベルギーにも「野ばら」があった
ゲーテの詩「野ばら」誕生の地ゼッセンハイム
オペレッタの巨匠レハールも「野ばら」を作曲
シューマンの「野ばら」と市民革命
ブラームスの「野ばら」は盗作か
ヴェルナーの「野ばら」が世界に広がったのは何故
日本に伝わった「野ばら」の大変身
メンデルスゾーンの謎の「野ばら」
ゲーテ愛用のピアノが死後初めて音を出した
未完成に終わったベートーヴェンの「野ばら」
スイス、フランス、チェコ、ハンガリー まだまだある多彩な「野ばら」
戦争と「野ばら」
難民が歌う哀しみの「野ばら」
戦火に消えたシャリエの楽譜屋さん
著者等紹介
長沼修[ナガヌマオサム]
1943年札幌生まれ。67年北海道大学農学部卒。学生時代はオーケストラに熱中、コントラバスを弾く。67年北海道放送入社、テレビの制作現場で100本以上のドラマやドキュメンタリー、音楽番組を製作。「童は見たり」に続き91年には東芝日曜劇場「サハリンの薔薇」で文化庁芸術祭賞受賞、ほかに多数の受賞番組を制作する。2000年北海道放送社長、10年札幌ドーム社長などを務め、現在、北海道国際音楽交流協会理事長。日本ペンクラブ会員
溝口博史[ミゾグチヒロシ]
1952年北海道生まれ。75年慶應義塾大学法学部法律学科卒、北海道放送入社。報道部でドキュメンタリストの道を歩む。数々の受賞歴があるが、特に文化庁の芸術祭と波長が合い、「第九を歌った町」「大草原の少女みゆきちゃん」「童は見たり」「老いの食卓」が芸術祭賞、「喜びも悲しみもこの大地にあり」が放送個人賞を受賞した。地域に根ざした温かい作風が持ち味。2015年指定難病に罹患、20年監査役を最後に北海道放送を退社する。以来、閑雲弧鶴の日々である
シュミット村木眞寿美[シュミット・ムラキマスミ]
東京都出身。早稲田大学文学部大学院卒。ストックホルム大学、ミュンヘン大学在籍。カソリック社会福祉大卒(社会教育主事国家試験取得)。ドイツ国籍取得、子供三人。欧州五か国に七つの石庭作庭。ドイツ・パンヨーロッパ・ユニオン会員。ミュンヘン在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Nobuko Hashimoto
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