内容説明
フランスを代表する劇作家で、小説『100歳の少年と12通の手紙』などのベストセラー作家、映画監督、役者、アマチュアピアニスト等々、マルチに活躍するエリック=エマニュエル・シュミットの半自伝的小説。
著者等紹介
シュミット,エリック=エマニュエル[シュミット,エリックエマニュエル] [Schmitt,´Eric‐Emmanuel]
1960年、フランス・リヨン生まれ。パリ高等師範学校で哲学の博士号を取得。大学で教鞭をとる傍ら、1991年に劇作家デビュー。2作目の『訪問者』でモリエール賞を受賞し脚光を浴びる。以後、フランス演劇界を代表する劇作家として活躍。1994年からは小説家としての活動もスタートさせ、話題作を次々発表。その後も役者や映画監督など、活躍の場を広げている
船越清佳[フナコシサヤカ]
ピアニスト。岡山市出身。京都市立堀川高校音楽科卒業後渡仏。リヨン国立高等音楽院卒。ヨーロッパ、日本を中心にリサイタル、オーケストラとの共演の他、室内楽、器楽声楽伴奏、CD録音(日本ではオクタヴィアレコード“エクストン”より3枚リリース)等で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tom
17
この物語、一人芝居として書かれたもの。主人公は、幼いとき、アバズレと言われていたエメおばさんの弾くショパンに心が震えた。ショパンを弾きたいと思って、レッスンを受けるようになり、励んだけれど、バッハやモーツアルトは弾けても、ショパンは弾けない。困ってしまって、マダム・ピリンスカに教えを乞うことにした。この先生、変わった教え方をする。最初はピアノの下に潜れ。最後は、濃厚なセックスをしろ。そして、エメおばさんの死の直前、彼は超絶的なショパン、一生に一度しか弾けないものを弾いてしまう。楽しい音楽小説。2023/07/16
tosca
14
自分から積極的に選んだ本ではないので、特に可もなく不可もなし。エリック・エマニュエル・シュミットの半自伝的小説との事。若い頃にピアノを指導してもらったマダム・ピリンスカという人の教えが面白い。ショパンを弾くための訓練として公園の池の水の波紋を眺めたり、若木の枝葉の揺れを観察したり、静寂を感じたり、なんか日本の昔のスポーツアニメにもそんなシーン無かったっけ?と余計な事を考えているうちに読み終えてしまった。ただ、ショパン絡みの本は嫌いじゃない2021/02/25
timeturner
6
ピアノの音や演奏者の指と心の動きが真に迫っている。現役ピアニストが翻訳しているからかも。マダム・ピリンスカの無茶ぶりレッスンは笑えるし、通奏低音のように語られるエメおばさんの哀しくも美しい人生が最後にショパンの曲に溶け合う場面は感動的。2021/03/08
グーグー
3
9才のエリックはエメおばさんのショパン曲演奏に魅了され、ピアノを習い始める。そして20才の時に、ピアノ教師マダム・ピリンスカに出会う。彼女のレッスンは一風変わっていたが……。ピアノの曲が聞こえてきて、鍵盤に触れる指の感触、心のさざめきを感じた。音楽は人生に寄り添ってくれる大切なもののひとつだと思う。素敵な小説だった。2021/03/20
konayuki100
1
著者の自伝的小説。マダム・ピリンスカ、奇妙なピアノ教師との出会い、その教えと成長。温かな気持ちになる。2021/02/08
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- 和書
- 喫茶の効用