内容説明
同時代の作曲家を、指揮者を、歌手をまな板に乗せ、ワーグナー、クララ・シューマンetc.について一杯機嫌で語りつくすブラームス。圧倒的な知識と想像を絶する創作能力がいま明らかに。ホイベルガーが残した未発表メモ―破顔一笑の大語録『ブラームスは語る』。蝋管録音に挑むブラームスを克明に記録したフェリンガー『素晴らしき調べ』所収、ファン釘付けの回想録集第2弾!傑作写真多数掲載。
目次
ブラームスは語る(リヒャルト・ホイベルガー)
ブラームス写真館(マリア・フェリンガー撮影)
素晴らしき調べ(リヒャルト・フェリンガー)(ミュルツツーシュラークのブラームス;ウィーンにて―名作の誕生;アパート住まいと最新技術)
著者等紹介
天崎浩二[アマサキコウジ]
1952年鳥取生まれ。有限会社ミュージック・サプライ代表取締役、日本ブラームス協会、エルガー協会(英国)会員
関根裕子[セキネユウコ]
国立音楽大学卒業。筑波大学大学院・文芸言語研究科(ドイツ文学専攻)博士課程満期退学。ウィーン大学留学。ウィーン世紀転換期文学および文化を研究。早稲田大学、明治大学、日本女子大学等にてドイツ語非常勤講師。日本ブラームス協会会員
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感想・レビュー
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颯
1
お世話になっている指揮者に教えてもらった回想録の2巻目。いやー。面白い。ブラームスがすぐそこにいるよう。よく聞く気難しいイメージは薄れて、楽しくて、周りの人と音楽とを本当に大切にした、素晴らしい人だったんだなと分かってくる。同時に、なんだか仲間にしか思えなくなってくる(笑)。2019/09/12
えんのしん
0
三分冊の分量があるのだがこんなに面白く読める伝記は他にない。よくある伝記は一人の著者の目から見た一面的・平面的人物像であり、時には内容も恣意的であったりする。この本に書かれているブラームスは周囲の多数の人の見たブラームスであり、またそのブラームスが周囲の人を語るという立体構造になっている。「ブラームスと付き合ううちに彼の言葉がかけがえのないものに思えてきて自分用に記録した」と語るホイベルガーの言葉が象徴するブラームスの人間的魅力が全編の心臓になっている。本が面白いというよりブラームスが面白いのだ。2025/05/17