内容説明
私たちはモーツァルトを聴き、モーツァルトに接することで、私たち自身の姿をモーツァルトという鏡に映し出し、モーツァルトに接近することによって、私たち自身の存在を問われているのではあるまいか…
目次
1 プロローグ
2 なぜ、今、モーツァルトなのか
3 モーツァルト発見(モーツァルトの自筆楽譜大量発見のニュース;音楽家の伝記と郵便;天才の父レーオポルト・モーツァルト)
4 モーツァルトを読む
5 モーツァルトに聴く
6 『アマデウス』の周辺(モーツァルト毒殺説と『アマデウス』;モーツァルトはパンク少年だったのか;サリエーリとモーツァルト)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ムーミン2号
5
出版は昭和62(1987)年で、それから遡ること10年ほどの間に著者が様々な雑誌、新聞等に書いたモーツァルトに関する文章を、ある程度テーマごとに集めたものである。本論はタイトルにある通り「モーツァルトは鏡」。モーツァルトを聴き、語るあるいは読むことは即ち自分自身をそれを通してみることであり、一方モーツァルトの音楽は世の中のあらゆるものを写し出す鏡だ、という説。それを自らの文章を集めてみるとまことに正しく例証していると言うのである。個人的にはさほどには感じられなかったが、「モーツァルトは鏡」には首肯できる。2018/01/05