内容説明
音楽と美術のかかわりを追いながら〈愛と死と永遠の女性〉に主題をしぼり、ワーグナーを核に旋回する世紀末の美を華麗に描き出す。
目次
1 クララ・シューマンに憧れたワーグナー狂―ファンタン・ラトゥールの愛と音楽
2 ワーグナーを袖にした画家―死の島のベックリーン
3 パロディとしての《タンホイザー》―ビアズリーにおける母親
4 イゾルデからグレートヒェンへ―ワーグナーのファウストとクラークのファウスト
5 マリア讃歌とヒンデミット―交響曲《画家マティス》の周辺
6 ストラヴィンスキーの《放蕩児の遍歴》―大いなる母を持った息子たち
7 バーン・ジョーンズと「ヴィーナス讃歌」―処女性を永遠の眠りに封じ込めた画家
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
愁
2
「愛と死と永遠の女性」音楽の才能もあったというビアズリーとワーグナーの章目当てに購入しましたが、ハリークラークにも触れられていてなかなか嬉しかったですね〜!共通点がありつつ、それぞれの違った表現。アールヌーボー期の芸術は魅力的です。
オットー
1
あとがきにも書かれていることだが、ワーグナーと美術家との関わりについては、ファンタン・ラトゥールとビアズリー、ベックリンぐらいです。後はヒンデミットの「画家マティス」、ストラヴィンスキー「放蕩者のなりゆき」と美術作品との関わりについて。音楽から美術へ、美術から音楽へインスピレーションを受けて制作された作品について書かれており、とても面白い本だった。2012/07/19