出版社内容情報
伴奏の世界的な第一人者が、共演のノウハウをユーモアを交え豊富な譜例とともに具体的に解説。アンサンブルを愛する音楽家必読。
アンサンブルや伴奏を愛する音楽家にとって必読の書である。カレーラスやマリリン・ホーンらに厚く信頼され、伴奏の世界的な第一人者である著者が、「素晴らしい共演者」になるためのノウハウを、ユーモアを交えながら、255個の豊富な譜例とともにきわめて具体的に公開する。ピアニストの呼吸の取り方、歌詞から曲想を読み取る方法、抑揚の付け方、前奏や間奏をどのように演出するか、言葉をどのように音に託すか、オーケストラの各楽器をピアノで模倣する方法、出だしのアインザッツの取り方、バランスを考えるときの注意点、等々、どれも実践的で、役立つ内容ばかり。ソロ演奏にも有益だ。「共演こそすべてだ!」と言う筆者の、大らかな人間性と音楽への深い愛情が全編に溢れ、気取らない語り口は説得力があって、読み物としても楽しい。訳文にも筆者の情熱が乗り移っている。
日本語版への前書き
訳者前書き
付随するウェブサイトについて
譜例一覧
第1章:まえがき とにかく、共演するって、どういうこと?
第2章:呼吸することと歌うこと
第3章:言葉こそ大事
第4章:ピアニストはデザイナー
第5章:ピアニストは舞台監督
第6章:料理道具
第7章:バランスはやっかいだ
第8章:スタインウェイ管弦楽団
第9章:もう少しオーケストラ演奏について
第10章:その他もろもろ
第11章:歌手がいなくても生きていける?
第12章:終わりに──激励の言葉を
【著者紹介】
ミシガン大学、アルツール・シュナーベル・カレッジ教授。ピアノ共演専攻学生の指導、声楽専攻学生のコーチ、声楽曲解釈の授業のみならず、オペラ公演の指揮も担当している。1998年には、アメリカ最古の音楽雑誌「ミュージカル・アメリカ」で “Accompanist of the Year”(本年最高の伴奏者賞)を受賞。カーネギー・ホールでいくつものリサイタルに出演したほか、オーストラリアと日本でのツアー、スカラ座、パリのオペラ座、ザルツブルグ音楽祭、エジンバラ音楽祭などで活躍。
内容説明
世界最高の音楽家たちが深い信頼と尊敬を寄せる“伴奏の第一人者”が、長年世界の舞台で活躍し、指導者としても多くの音楽家を育てた経験から、“ピアノ共演法”のすべてを明かす。呼吸法、言葉の重要性、雰囲気の作り方といった基本はもちろんのこと、曲の始め方、物語を語る方法、チューニング、バランス、オーケストラ伴奏をピアノで弾く方法等、細かい点にいたるまで網羅し、その語り口はユーモアたっぷりで楽しく、わかりやすくて具体的。
目次
第1章 まえがき―とにかく、共演するって、どういうこと?
第2章 呼吸することと歌うこと
第3章 言葉こそ大事
第4章 ピアニストはデザイナー
第5章 ピアニストは舞台監督
第6章 料理道具
第7章 バランスは厄介だ
第8章 スタインウェイ管弦楽団
第9章 もう少しオーケストラ演奏について
第10章 その他もろもろ
第11章 歌手がいなくても生きていける?
第12章 終わりに―激励の言葉を
著者等紹介
カッツ,マーティン[カッツ,マーティン][Katz,Martin]
40年以上にわたり声楽伴奏者として世界中で活躍。共演者は、マリリン・ホーン、キリ・テ・カナワ、キャスリーン・バトル、ホセ・カレーラス、フレデリカ・フォン・シュターデ、チェチーリア・バルトリ、など数限りない。ミシガン大学ピアノ教授として20年以上ピアノ共演法、声楽曲解釈などを教えるほかオペラの指揮も行い、米国の有数なオペラ劇場のみならず、日本の新国立劇場オペラ研修所でも若い声楽家の指導にあたってきた。1998年には、アメリカ最古の音楽雑誌「ミュージカル・アメリカ」で“Accompanist of the Year”(本年最高の伴奏者賞)を受賞
茂木むつみ[モテキムツミ]
国立音楽大学ピアノ科卒業後、米国のウェストミンスター・クァイア・カレッジでダルトン・ボールドウィンに師事し修士号を、ミシガン大学でマーティン・カッツに師事し博士号を取得。現在コロラド大学准教授。声楽伴奏家として演奏活動する他、各地での公開講座、マイアミ大学主催のザルツブルク夏期講座でも教鞭をとる。神戸女学院大学、ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学、イーストマン音楽院、国立台南芸術大学などでも客員教授を勤める
上杉春雄[ウエスギハルオ]
北海道出身。PTNAヤングピアニスト・コンペティション全国大会G級金賞、グランプリ、マリア・カナルス国際コンクールでの上位入賞など内外のコンクールで入賞多数。1988年東京サントリーホール、大阪シンフェニー・ホールでデビューリサイタル。その後EMIからの4枚のCDリリースをはじめ、オーケストラ共演、リサイタルなどコンサート活動を行っている。北海道大学医学部卒、東京大学大学院医学研究科修了。神経内科専門医、医学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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