出版社内容情報
『ブルクミュラー 25の練習曲』がなぜ多くの日本人に愛されているのか。作曲家の生涯や日本の出版事情、翻訳曲名の様々を。
『ブルクミュラー 25の練習曲』は誰もが知っている超人気ピアノ曲集だ。「アラベスク」や「貴婦人の乗馬」などは小学校の音楽室のピアノで女子が弾く定番レパートリーで、多くの人が必ずどこかで耳にしている。『バイエル』に続く教則本としてピアノ学習者なら誰しも弾く曲集であるが、その作曲者については、これまでほとんど知られず、関心ももたれてこなかった。しかし、多くの日本人の思い出の中に「ブルクミュラー」はしっかりと存在する。その不思議を考えるのが本書である。この知られざる作曲家の人物や活動、作品を紹介し、なぜ日本の多くの出版社がブルクミュラーの楽譜を出版し、なぜその多くの曲名がそれぞれ違っているのか、日本にどのように伝わり広まったか、どのように教えられ演奏されてきたか、なぜ『25の練習曲』から紙芝居やダンスが生まれたのか、そして、なぜ私たちはこれほどまでにブルクミュラーが好きなのか、を探っていく。ブルクミュラーの不思議を探ることは、私たちの音楽体験を考えることなのだ。
◆プロローグ 知っているようで知らない「ブルクミュラー」
◆第1章「ブルクミュラー25」の不思議――ピアノ界の超ロングセラー
不思議1 暗黙の了解――「ブルクミュラー」といえば・・
不思議2 大ベストセラーの不思議
不思議3 タイトルミステリー1 消えた女(スティリアンヌ)
不思議4 タイトルミステリー2 唐草模様とお姫さま(たなかすみこ版からの妄想)
不思議5 「12の練習曲」にもタイトルが付いていた!
不思議6 「25の練習曲」はシリーズものだった?
不思議7 タイトルミステリー3 牧場の謎~「18の練習曲」
◆第2章 知られざる作曲家――ブルクミュラーの人物像
不思議8 ブルクミュラーって誰? ショパンと同時代のパリを生きた作曲家
不思議9 練習曲以外の作品はなぜ忘れ去られたか?
不思議10 知られざるバレエ作曲家としての顔
不思議11 実は最大のヒット作、バレエ音楽「ラ・ペリ」
不思議12 天才と謳われた弟ノルベルト・ブルクミュラー
◆第3章 ニッポン伝来――日本人とブルクミュラー
不思議13 「ブルクミュラー」のニッポン伝来はいつ?
不思議14 出版史1 日本版「ブルクミュラー」が登場!(明治~1950年)
不思議15 出版史2 高度経済成長期から原典回帰へ(1950年~1990年代~現在)
不思議16 どっちがどっち? 混同されるブルクミュラー兄弟
不思議17 語られる「ブルクミュラー」1~戦後のピアノ教材研究
不思議18 語られる「ブルクミュラー」2~ピアノ雑誌の特集(1990年以降)
不思議19 ブルクミュラーと名づけられたピアノ
◆第4章 ブルクミュラー大好き!――ブルクミュラーの宇宙
不思議20 アレンジで広がる「ブルクミュラー」の世界
不思議21 ブルクミュラーの名を冠したコンクールがあった!
不思議22 「教材」から「作品」へ――ブルクミュラー録音史
不思議23 「ブルクミュラー」が紙芝居になった! インタビュー形式
不思議24 「ブルクミュラー」がダンスになった! インタビュー形式
不思議25 語られる「ブルクミュラー」3~習う側の言葉
◆ブルクミュラーゆかりの地を訪ねて――レーゲンスブルクを加えて旅行記とする
◆エピローグ なぜ、こんなにも愛されるのか?対談形式
◆資料 作品表、ディスコグラフィー
◆コラム
【著者紹介】
音楽ライター/翻訳。東京芸術大学大学院音楽研究科修了。楽譜やCD、演奏会プログラムの楽曲解説、雑誌にインタビュー記事など執筆。著書『あなたがピアノを続けるべき11の理由』(ヤマハ・ミュージック・メディア)。
内容説明
これまで謎に包まれていたブルクミュラーの魅力を解き明かす。
目次
プロローグ 25の不思議ハントの旅へ
第1章 「ブルクミュラー」の不思議―ピアノ界の超ロングセラー
第2章 知られざる作曲家―ブルクミュラーの人物像
第3章 ニッポン伝来―日本人とブルクミュラー
第4章 ブルクミュラー大好き!―ブルクミュラーの宇宙
エピローグ 不思議の旅はまだまだ続く
付録 ブルクミュラーのゆかりの地をたずねて
著者等紹介
飯田有抄[イイダアリサ]
音楽ライター/翻訳。1974年北海道生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Macquarie University通訳翻訳修士課程修了(英語/日本語)。楽譜やCD、コンサート冊子用に曲目解説の執筆や翻訳を行う。松永流三味線端唄師範。ぶるぐ協会広報
前島美保[マエシマミホ]
日本音楽史研究。1975年埼玉県生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院音楽研究科博士課程修了。2012年『十八世紀上方歌舞伎音楽の研究―囃子方を中心に』にて博士号取得。京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター非常勤講師などを務めるかたわら、ブルクミュラー研究に従事。ぶるぐ協会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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