内容説明
中世・ルネサンスから現代まで、転換期の連続としての音楽史を描き出すとともに、現代の音楽学研究の諸問題をあざやかに照らし出す。38人の音楽学者による気鋭の論考集。
目次
第1部 16世紀以前(中世・ルネサンス)(声と無名性―中世・ルネサンスにおける女性の音楽創造をめぐって;ルネサンス初期の多声ミサ曲とcontenance angloise―ボローニャQ15写本におけるイングランドのミサ・サイクル ほか)
第2部 17~18世紀(バロック、古典派)(コンチェルトから教会カンタータへの道―ドレスデン宮廷におけるふたりのイタリア人楽長について;転換期としての「器楽の独立」 ほか)
第3部 19世紀(ベートーヴェンの「後期様式」をめぐるアドルノの思索とその源泉―アレゴリー論を中心に;「2つの交響曲」再考―ベートーヴェン第9交響曲作品史の一断面 ほか)
第4部 20世紀(1930年代のプーランク;「実用版楽譜」としてのコルトー版―楽譜と演奏をめぐって ほか)
第5部 日本と欧米(ケーベル先生のまなざし―瀧廉太郎との幸福な出会いそして別れ;明治時代後半期における作歌に関する試論―鳥居忱を中心として ほか)