出版社内容情報
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第28番」の、シェンカーによる批判校訂版(楽譜)と、その詳細な作品分析等からなる貴重な書。
シェンカーによる「ベートーヴェンの最後のピアノ・ソナタ 批判校訂版」シリーズ(全4点)、ついに完結! 最終巻の本書は、第28番 op.101の批判校訂版(楽譜)、作品理解のための詳細な手引き等からなる。同校訂版は、当時それまでに刊行されていた校訂版と異なり、作曲者と直接かかわりのある資料を参照しつつ、随所で的確な判断を下している。しかも、作曲者の指示と校訂者の解釈が楽譜上で明確に区別されている点で、ビューローやリーマンのいわゆる「実用版」とは大きく袂を分かつ。手引きは、作品の構造に関する注釈や具体的な演奏指南、他の版への批判を含む。判断の根拠や思考の過程を示しながら展開される作品分析は、研究者はもちろん、演奏家にとって裨益するところ大と言えよう。
日本語版のための凡例
シェンカーの用語集
楽譜資料
SONATE Op.101〔シェンカー批判校訂版〕
第1楽章
第2楽章
第3楽章
シェンカー批判校訂版に関する訳者による注
序
手引きへの序言
手引き
第1楽章
第2楽章
第3楽章
文献
シェンカーの著作一覧
解題
訳者あとがき
【著者紹介】
オーストリアの音楽理論家(1868-1935)。彼の理論は、その弟子たちによってアメリカに広まり、「シェンカー分析」として今日なお大きな影響力を有している。『ベートーヴェンの第9交響曲』(音楽之友社既刊)の分析には、指揮者のフルトヴェングラーが感銘を受けている。そのほかのおもな著者に『和声学』『対位法』『自由作法』『ベートーヴェンの第5交響曲の分析』などがある。
目次
SONATE Op.101(シェンカー批判校訂版)(第1楽章;第2楽章;第3楽章)
手引きへの序言
手引き
著者等紹介
西田紘子[ニシダヒロコ]
千葉県生まれ。九州大学大学院芸術工学研究院助教。ロータリー財団奨学金を得て2005年より2年間、ウィーン国立音楽大学博士課程で音楽理論・美学を学ぶ。2009年、東京藝術大学大学院音楽研究科博士後期課程(音楽学専攻)修了。博士(音楽学)
堀朋平[ホリトモヘイ]
神奈川県生まれ。武蔵野音楽大学・国立音楽大学講師。日本学術振興会特別研究員PDを経て2013年、東京大学大学院人文社会系研究科博士後期課程修了。博士論文『フランツ・シューベルトとロマン主義』により日本シェリング協会第10回研究奨励賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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