出版社内容情報
本書は、創作をとおして普遍的な世界に向き合う作曲家の知られざる内面に肉薄し、日本では耳にすることがまだ極めて少ないミサ曲やレクイエムに光を当てる。特に、20世紀前半の両大戦に際して作曲された、知られざるミサ曲やレクイエムの数々は本書独自。特にナチス政権下のドイツでミサ曲やレクイエムを作曲した作曲家について述べられるのはおそらく日本初だろう。またコラムは、そこだけ読んでも社会や宗教と音楽との関係を深掘りできる充実の内容となっている。合唱愛好家がレパートリーを増やすだけでなく、音楽・芸術史(愛好)家が近現代史を見つめなおすのにも役立つ1冊。
本書では、ミサ曲とレクイエムをひとつのまとまりと捉え、近代以降に焦点を絞って記述する。遠い時代のことではなく、現代により近い時代を生きた作曲家たちが、戦争で命を失っていく存在のために音楽作品を書いたことに、多くの読者が共感を寄せるだろう。ミサ曲とレクイエムの著者による訳詞つき。
目次
第1部 18世紀後半のミサ曲とレクイエム
第2部 19世紀前半のミサ曲とレクイエム
第3部 ロマン派のミサ曲とレクイエム
第4部 19世紀後半のミサ曲とレクイエム
第5部 20世紀のミサ曲とレクイエム
第6部 第一次世界大戦と作曲家
第7部 第一次世界大戦後の社会と作曲家
第8部 第二次世界大戦と作曲家
著者等紹介
西原稔[ニシハラミノル]
山形県生まれ。東京藝術大学大学院博士課程満期退学。現在、桐朋学園大学名誉教授、同大学特別招聘教授。18、19世紀を主対象に音楽社会史や音楽思想史を専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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