目次
第1部 “ドイツ・レクイエム”とブラームス(“ドイツ・レクイエム”を聴く聴衆―近代市民社会の投影;“ドイツ・レクイエム”の創作過程;“ドイツ・レクイエム”のテキストと音楽)
第2部 “ドイツ・レクイエム”への道(ブラームスをはぐくんだハンブルクの音楽文化;民謡と人の声の思想;“ドイツ・レクイエム”とリート;ブラームスの古楽研究と宗教作品の創作―“ドイツ・レクイエム”の序奏;ブラームスの器楽作品における古様式)
第3部 “ドイツ・レクイエム”の意味するもの(“ドイツ・レクイエム”の初演と評価;“ドイツ・レクイエム”のその後の演奏;“ドイツ・レクイエム”後の創作)
著者等紹介
西原稔[ニシハラミノル]
山形県生まれ。東京藝術大学大学院博士課程満期退学。現在、桐朋学園大学名誉教授、同大学特別招聘教授。18、19世紀を主対象に音楽社会史や音楽思想史を専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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syaori
57
ブラームスのキャリアの中間に置かれる傑作≪ドイツ・レクイエム≫を中心に、彼の追求した問題等を見てゆく本。≪レクイエム≫前後の作品に目を配ることで、ルネサンス・バロックの古楽や民謡の旋律、ロマン派の音楽から彼がいかに自身の表現語法を獲得したかや、≪レクイエム≫で提示された思想がどう引き継がれたかを見てゆく構成。その全体から彼の死への慄きと、死せる定めの人間存在への深い哀しみ慈しみが見えてくるようで、≪レクイエム≫の美しい旋律や歌詞を、人生を通してブラームスが語ろうとしてきたものの一端に触れた思いがしました。2022/06/10
trazom
55
私が最も印象的な「ドイツ・レクイエム」の光景は、第1曲の間、弓を膝の上においたまま一音も出さないヴァイオリニストの姿である。オケの花形であるヴァイオリンを沈黙させてブラームスが求めた響きが、この作品を象徴している。本書は「ドイツ・レクイエム」の詳細な分析だが、それを通じて、ブラームスの集大成が、この曲に深く塗り込められていることが証明される。パレストリーナ、シュッツなどの古い様式の研究の成果、民謡収集を通じた旋律表現、最晩年の「4つの厳粛な歌」にも通じる祈り…西原先生のブラームス研究の到達点がここにある。2020/10/17
bluelotus
8
★★★☆☆ 来週のドイツ・レクイエムの演奏会の予習として♪ドイツ・レクイエムの説明は主に第1章のみではあったが、クララ・シューマンの日記に書かれていたブラームス評の抜粋がなかなか興味深かった。2022/09/13
bluemoon
4
ドイツレクイエムを歌うにあたり、ブラームスのこと、楽曲の奥深いところを学習したいと思い購入した。 ブラームスはシューマンの評論によりドイツに知れ渡ることになるが、新ドイツ派より嫉妬と批判をかうことになり社会に身構え、頑なになっていく。 たびたびメランコリーにも襲われた。その魂の不安が聖書の世界を誘ったのではないか。 2021/01/16
沖縄電鉄社長
2
ブラームスのキャリアにおける一つの頂点を飾る『ドイツ・レクイエム』についての総合的な研究。2020/09/18
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