内容説明
バッハ演奏家・研究者として国際的な評価を得ている鈴木雅明がバッハを論じた初の著作。受難曲を中心に論じた第1章、カンタータを中心にBCJ10余年の軌跡を追った第2章、徹底した自筆譜・歌詞の研究/古楽器の製作等を通していかにして現実の演奏に辿りついたかを解き明かす圧巻の第3章、ソリストとしてバッハの鍵盤音楽を論じる第4章、こうした演奏活動の根底にある考え方、音楽家としての生き方に触れえる第5章―全編を通して、今を生きる巨匠の仕事の全貌、バッハの音楽を演奏するとはどういうことかを知ることができる。第十六回辻荘一賞受賞。
目次
第1章 わが魂の安息、おおバッハよ―バッハの宗教作品(わが魂の安息、おおバッハよ バッハのカンタータ・受難曲をめぐって;J.S.バッハ:カンタータ全集をはじめるにあたって ほか)
第2章 皆様、ようこそおいでくださいました―BCJ定期演奏会巻頭言集(マリアの讃歌;ライプツィヒ・カンタータの諸相と成熟 ほか)
第3章 演奏の現場から―制作ノート(ミュールハウゼン時代のカンタータ;ワイマール時代のカンタータ ほか)
第4章 真夏のオルガン行脚―バロック時代の鍵盤音楽(原点の響きを求めて;夏の遍歴、北ドイツの田舎から田舎へ ほか)
第5章 神はいかにしてこの世に音楽を残されたか―信仰と芸術(改革教会と会衆賛美;信仰と芸術―神はいかにしてこの世に音楽を残されたか)
著者等紹介
鈴木雅明[スズキマサアキ]
1954年兵庫県生まれ。東京芸術大学大学院修了後、アムステルダム・スウェーリンク音楽院卒業。1990年からはオリジナル楽器アンサンブルと合唱団「バッハ・コレギウム・ジャパン」を結成、J.S.バッハの宗教音楽作品を中心に幅広い活動を行なっている。スウェーデンBIS社よりJ.S.バッハ“マタイ受難曲”“ヨハネ受難曲”、モンテヴェルディ“聖母マリアの夕べの祈り”、ヘンデル“メサイア”など40点を超えるCDをリリース。オルガン、チェンバロ奏者としては、ブクステフーデおよびJ.S.バッハの「オルガン名曲集」、“平均律クラヴィーア曲集第1巻”“ゴルトベルク変奏曲”などもリリースされている。1999年度モービル音楽賞、第23回井植文化賞、2000年度音楽之友社賞、2001年度第42回毎日芸術賞、2001年ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章、2004年第16回辻荘一・三浦アンナ賞受賞。現在、東京芸術大学教授、日本キリスト改革派東京恩寵教会オルガニスト
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