内容説明
昭和初期、フルトヴェングラーに師事し、ベルリン・フィルを指揮するなど華々しく活躍した天才音楽家・貴志康一。彼は山田耕筰、近衛秀麿につづく、新しい世代を担う音楽家として属目されていたが28歳で夭折、没後は長い間忘却の彼方にあった。しかし、1980年代以降、母校・甲南高等学校の協力もあって作品の再評価が進み、彼は奇跡的によみがえった。―本書はその復活の足どりを辿り、“夢と憧れに充ちた”彼の音楽の魅力を検証する。
目次
1 復活の足どり(貴志康一と甲南;山田耕筰の手紙;朝比奈隆―よみがえる友情;湯川博士と「竹取物語」;“幻の名盤”「道頓堀」と「市場」;『オーケストラがやって来た』;指揮者 小松一彦;都響・第247回定期演奏会;60年ぶりのベルリン・フィル)
2 よみがえる夭折の天才(『夭折の天才音楽家・貴志康一』;サンクトペテルブルグの「仏陀」;オペラ『ベルリンの月』;ストラディバリウスの行方;貴志康一の「第九」;“芸術家たる前に芸人たれ”)
3 資料編(貴志康一略年譜;作品解説ノート;主な演奏会記録;主なテレビ・ラジオ放送;参考文献;ディスコグラフィ;楽譜集リスト)
著者等紹介
日下徳一[クサカトクイチ]
1927年生まれ。関西学院大学(文学部)卒業。長らく甲南高等学校に勤務し、貴志康一記念室創設に関わり、ソノ運営に携わってきた。「貴志康一作品集」(音楽之友社)ノ編集をはじめ、レコードやCDの制作、コンサートの開催などに協力し、現在も貴志康一の研究を続ける
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