内容説明
理解しなくても音楽を楽しむことができるのは、受け取る側にそれだけの感性と知性が整っている場合である。演歌は楽しめるけれどもヴェーベルンは楽しめないとすれば、なぜだろう。それを妨げているものは何なのだろうか。では、それを取り除き楽しみに変えるにはどうすればよいのだろう。そのために受け取る側はどう感性を磨き、どのような知識を身につければよいのだろうか。音楽を楽しみ、理解するためのさまざまな問題を考えてみる。
目次
第1部 ゴーシュの音楽美学
第2部 神童と教育パパ
第3部 『魔笛学入門』―〈魔笛〉の謎を解く
第4部 音楽の場離れと「伝統」―北タイ、タイ・ルー族とアカ族の儀礼とパフォーマンス
第5部 シューマンの歌曲集―〈詩人の恋〉とその周辺