音楽の科学―音楽の物理学、精神物理学入門 (新版)

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  • サイズ A5判/ページ数 284p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784276123731
  • NDC分類 761.14
  • Cコード C1042

出版社内容情報

音の物理学的な特性と心理学的な感覚の結びつき、又その生物学的過程を、物理学・音響学・精神物理学と結びつけ証明した入門書。

本書は、『Introduction to the physics and psychophysics of music』第2版(1979年)から訳出した旧版を、第4版(2008年)にもとづいて全面改版したものである。これまで日本語の他にもドイツ語・スペイン語・ポルトガル語にも翻訳され、音の物理学的な特性と心理学的な感覚の結びつき、またそれらの生物学的過程を、物理学・音響学・精神物理学・神経生物学と結びつけて科学的にリサーチし、証明した入門書として長年にわたり世界各国で親しまれている。今改訂では、精神物理学および神経生物学の分野において、以前の版では推測として述べていた記述に関して、現在では測定や実験により証明されたものが、主に修正・加筆された。本書の究極的な課題は「なぜ音楽が存在するのか」について考察することにある。「音は実際にどのように楽器で生じ、どのように環境に伝わり、どのように耳で検出されて脳で判断されるのか」を科学的に理解してはじめて、究極の課題について考察する準備が整う。

第1章 音楽の科学、科学の音楽:学際的外観
1.1 物理学的システム
1.2 楽音の特質
1.3 音楽における時間要素
1.4 物理学と精神物理学
1.5 精神物理学と神経科学
1.6 神経科学と情報科学
1.7 情報科学と音楽―音楽はなぜ存在するか?
第2章 音響振動、純音、ピッチの知覚
2.1 運動と振動
2.2 単純調和運動
2.3 音響振動と純音感覚
2.4 純音の重畳、第1次ビート(うなり)と臨界帯域
2.5 他の1次的効果、結合音と聴覚倍音
2.6 2次的効果、調子のはずれた協和音のビート(うなり)
2.7 基本周波数に対応した主観的ピッチ
2.8 末梢神経における聴覚符号化
2.9 周期的ピッチと中枢神経系の役割
第3章 音波、音響エネルギー、ラウドネス感覚
3.1 弾性波、力、エネルギー、パワー
3.2 伝播速度、波長、および音響パワー
3.3 波の重畳、定在波
3.4 強さ、音の強さレベル、ラウドネス
3.5 ラウドネスの知覚機構とその関連処理
3.6 耳から聴こえる音楽―耳音響放射と蝸牛のメカニズム
第4章 楽音、複合音の発生と音色の知覚
4.1 波の定在波
4.2 弦楽器の複合定在振動の発生
4.3 音響振動のスペクトルと共鳴
4.4 理想気柱の縦波定在波
4.5 吹奏楽器の複合定在振動の発生
4.6 吹奏楽器の音のスペクトル
4.7 閉鎖された空間における音響反射と吸音
4.8 ピッチの知覚と楽器の音色
4.9 楽音の知覚に関わる神経過程
第5章 複合音の重畳とその連続、音楽の知覚
5.1 複合音の重畳
5.2 協和音、および不協和音の感覚
5.3 音階の構成
5.4 標準音階と標準ピッチ
5.5 音階の存在理由と音楽感覚の体験―なぜ音階があり、なぜわれわれは音楽体験を体験するのか
5.6 音楽知覚における、脳の認知および感情のプロセス―なぜわれわれは音楽に感情的な反応をするのであろうか
5.7 大脳半球における音声と音楽の処理
5.8 なぜ音楽が存在するのか
付録?T 擦弦メカニズムの定量的考察
付録?U 中枢ピッチ処理モデルについてのいくつかの定量的考察
付録?V 音楽の物理学と精神物理学教育におけるいくつかの所見
参考文献/項目索引/人名索引/図表一覧

【著者紹介】
宇宙科学者。アルゼンチン国立ブエノスアイレス大学で物理学博士号を習得。現在アラスカ州立アラスカ大学フェアバンクス校名誉教授。これまで宇宙科学・科学政策・音響心理学・情報科学などの分野で250以上もの論文を執筆。NASA Awardを4度受賞。

内容説明

諸外国でも入門書として定評あるローダラー『音楽の科学』最新第4版にもとづく全面改版!

目次

第1章 音楽の科学、科学の音楽:学際的概観(物理学的システム;楽音の特質 ほか)
第2章 音響振動、純音、ピッチの知覚(運動と振動;単純調和運動 ほか)
第3章 音波、音響エネルギー、ラウドネス感覚(弾性波、力、エネルギー、パワー;伝播速度、波長、および音響パワー ほか)
第4章 楽音、複合音の発生と音色の知覚(弦の定在波;弦楽器の複合定在振動の発生 ほか)
第5章 複合音の重畳とその連続、音楽の知覚(複合音の重畳;協和音、および不協和音の感覚 ほか)

著者等紹介

ローダラー,ホアン・G.[ローダラー,ホアンG.] [Roederer,Juan G.]
アラスカ州立アラスカ大学フェアバンクス校名誉教授。国際的に名高い宇宙科学者。イタリアに生まれオーストリアで育ち、アルゼンチンで勉学を修め国立ブエノスアイレス大学にて物理学博士号を取得した。1956年より10年間同校にて物理学教授を務めた後、1967年に家族と共に米国へ移住、デンヴァー大学教授に就任した。その後1977年から1986年まで、アラスカ州アラスカ大学フェアバンクス校・地球物理学研究所の所長として研究及び教育活動を行った

高野光司[タカノコウジ]
1931年群馬県生まれ。1953年千葉大学医学部卒業。1963~1965年アレキサンダー・フォン・フンボルト財団フェローとしてゲッティンゲン大学に留学。留学後、千葉大学医学部生理学教室、助手、講師、助教授を経て、1971年ゲッティンゲン大学医学部教授運動神経生理部長就任。1996年同病態神経生理部長退役。その後横浜医療専門学校長、日本伝統医療評価機構理事長、介護老人保健施設ふなばし光陽施設長などを歴任。現在、ゲッティンゲン大学医学部教授(終身職)、日本国際医学協会評議員、キネシオテーピング療法学会会長、日本良導絡自律神経学会名誉会員

安藤四一[アンドウヨイチ]
1939東京市生まれ(岡山県美作出身)。1975年早稲田大学より工学博士号を取得。1975~1977年西ドイツ、ゲッティンゲン大学第3物理学研究所研究員(アレキサンダー・フォン・フンボルト財団フェロー)として、コンサートホール音響学の研究に従事。1979年神戸大学助教授、1995年同大学大学院自然科学研究科教授に就任。2003年同大学名誉教授。1995年アメリカ建築家協会賞を受賞。2002年イタリア、フェラーラ大学名誉博士。アメリカ音響学会フェロー、イタリア音響学協会名誉会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まっちゃん2

1
音楽音響に科学のメスを鋭く突っ込んだ書物。ただ、あまり判り易くない。図の説明が不親切。文体もわかりにくい、訳が悪いのではなく元の分がわかりにくい構造になっているからだと思う。文系も聴講することを考慮して数式を最低限しか使っていないのが、却ってわかりにくくしたのでないか。内容は興味深い事柄なのでちょっと残念。再構成して作り直してほしい。2017/02/01

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