出版社内容情報
本書は高次脳機能障害から知的重複障害、統合失調症から健常者に対する音楽療法、特別支援学校の教員が抱える悩みまで、幅広い対象と事例にスポットを当てて、わかりやすく構成される。
医療や福祉、教育の現場に携わる人たちが、自身の資質を向上させるために受ける教育的指導を「スーパービジョン」と言い、指導する側をスーパーバイザー、指導を受ける側をスーパーバイジーという。日本の音楽療法学界では、その草分け的存在である松井紀和氏(精神科医)によるスーパービジョンに、圧倒的な実績と人気がある。本書は高次脳機能障害から知的重複障害、統合失調症から健常者に対する音楽療法、特別支援学校の教員が抱える悩みまで、幅広い対象と事例にスポットを当てて、わかりやすく構成される。
内容説明
わが国の音楽療法臨床の第一人者、松井紀和氏によるスーパービジョン6事例を紹介。力動精神医学の理論を背景に、治療者がどのような考えで音・音楽を使い、それが対象者にどう生かされているかを明確にする、セラピスト必読の書。
目次
第1章 音楽療法士に必要な研修と技術(スーパービジョンとは何か;音楽療法の実施にあたって―4つのプロセスと技術)
第2章 スーパービジョンの実際 集団音楽療法(自閉症児の音楽療法―コミュニケーション機能を促す集団音楽療法;慢性期統合失調症における音楽療法を用いた下肢筋力の強化―転倒予防の試み;ピアノレッスンの療法的意味;健康促進援助としての音楽活動―音楽療法技法を使った取り組み)
第3章 スーパービジョンの実際 個人音楽療法(全盲の知的障害者Aに対する音楽療法―キーボードとギターを使ったアプローチ;脳出血によりブローカ失語を呈した患者への音楽療法の実践―歌を媒介とした言葉の再獲得)
参考資料 松井紀和先生に聞く特別支援教育現場からのQ&A困っている先生のために
著者等紹介
鈴木千恵子[スズキチエコ]
桐朋学園大学短期大学部(ピアノ専攻)卒業後、ウイーン等で研鑽を積む。1996年コペンハーゲン大学にてピアノリサイタルを開催した。1976年より日本の第一人者である松井紀和(精神科医)のもとで音楽療法を学び、山梨日下部病院(単科精神病院)、山梨県教育センター、山梨県中央児童相談所にて研修。その後、山梨大学教育学部附属養護学校、日本臨床心理研究所にて音楽療法士として勤務。現在は、玉川大学、桐朋学園芸術短期大学および専攻科、昭和音楽大学にて教鞭をとる傍ら、臨床活動、施設のスーパーバイザーなど後進の指導も行なっている
松井紀和[マツイトシカズ]
昭和28年北海道大学医学部卒(医学博士)。昭和30年東京武蔵野病院にて音楽療法を開始する。昭和34年より山梨日下部病院院長、昭和56年より山梨大学教授、保健管理センター所長を歴任。平成7年から9年まで北海道医療大学教授を経て、現在は日本臨床心理研究所所長。専門領域は精神医学、精神分析、芸術療法、音楽療法、集団力動と幅広い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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