内容説明
音楽の歴史的潮流とその周辺を探る。宗教・思想、さらに文学・絵画・彫刻・建築などと深く結びついた音楽の流れを歴史的に辿り、西洋史のなかに躍動する音楽の姿を描写した。
目次
第1章 古代ギリシア音楽の二元性
第2章 ロマネスク芸術と音楽
第3章 ゴシック精神とポリフォニー
第4章 ルネッサンス的美の世界とネーデルランド楽派
第5章 プロテスタント音楽の発生
第6章 マニエリスム
第7章 バロック音楽の意味するもの
第8章 後期バロック時代のバッハとヘンデル
第9章ロココ芸術のなかの音楽
第10章 古典主義への道とグルック及びハイドン
第11章 モーツァルトの世界
第12章 音楽の巨人ベートーヴェン
第13章 歌曲の名手シューベルト
第14章 古典主義とロマン主義との接点
第15章 ロマン主義と五つの特質
第16章 ロマン派の作曲家たち
第17章 印象主義と音楽
感想・レビュー
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kthyk
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建築を数や比例、あるいはシンメトリーや黄金分割で説明しようとするのは、視覚的美術系の建築の方法だが、建築を、体験あるいは文学・音楽的体験として捉えようとする人もいる。偶像拒否の初期キリスト教社会にあって必要とされたのはミサのできる場、それはまだ教会ではない。しかし、散会を意味するミサに最も必要とされたものは音の響きだった。ロマネスク時代、何故、木造文化のゲルマンの人々が重い石のドーム教会を必要としたのか。それは不燃建築ということもあるが、求められたものは音の響きだったのだ。2020/11/26