内容説明
本書は対位法を十二音列の運用によって習得するために書かれた理論書である。いうまでもなく、和声学や対位法は作曲技法を身につけるための一過程である。換言すれば、これらは作曲という前提から離れて独り歩きをし、和声学や対位法自体が目的となるべきものではない。本書はそのような考えを基礎において書かれたものであり、さまざまなアイディアが要求される音列の運用によって展開されるこの対位法は、これ自体が目的ではなく、古典対位法とは異なる音組織による対位法を習得し、新しい時代の音組織を身につけるための助けとなることを意図して書かれたものである。
目次
音列についての考察
自由音列に基づく一声曲
自由音列に基づく二声曲
自由音列に基づく三声曲
自由音列に基づく四声曲
自由音列に基づく二声カノン
自由音列に基づく三声カノン