出版社内容情報
アメリカの音楽大学・音楽院で長らく愛用されている対位法の教科書の翻訳。主に、18世紀(特にバロック時代)に作曲された鍵盤楽器のための作品をながめながら、対位法を学ぶことができる。
バロック時代からロマン派に至るまでの作曲家の実作品を豊富に提示しながら解説が進む。そのため、得た知識や技能が単なる机上の学習にとどまらず、作編曲や演奏等の実践へと活かしやすいのが特長である。さらに、フーガ、カノン、トリオ・ソナタなど、より実践的な形式について考察する章も含まれているため、学問としての対位法を学んだ後にそれらが「活きている」という納得感も多く得られる。
譜例には、とりわけJ.S.バッハの作品(中でも《平均律クラヴィーア曲集》《インヴェンションとシンフォニア》)が多く挙げられているほか、ヘンデル、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューマン、ブラームス、フランクなど幅広い時代の作曲家の作品も収録されており、実作品の演奏・研究・鑑賞にも役立つだろう。
内容説明
対位法はJ.S.バッハに教わろう!有名曲を観察しながら本格的な対位法を学べる1冊。“掲載”、2声のインヴェンション、計20箇所以上。3声のシンフォニア、計10箇所以上。平均律クラヴィーア曲集、計60箇所以上。ほか、ベートーヴェンやモーツァルトの傑作も登場!
目次
旋律線
2声対位法
2声の練習 1:1と2:1
半音階的な要素(2声)
続・2声の練習
2声の小品の書き方
カノン
転回対位法
2声のインヴェンション 動機の展開
3声対位法
3声の小品の書き方
3声の模倣
3声のインヴェンション トリオ・ソナタ
フーガ
続・フーガ
完・フーガ
コラールに基づく形式
対位法的な変奏形式
著者等紹介
ケナン,K.[ケナン,K.] [Kennan,Kent Wheeler]
1913年生、2003年没。アメリカの作曲家。ミシガン大学とイーストマン音楽学校で作曲と音楽理論を学び、23歳でローマ賞受賞。ローマのアメリカンアカデミーに3年間留学した後、テキサス大学オースティン校教授となる。ケント州立大学やオハイオ州立大学でも教壇に立った。作品は管弦楽曲、室内楽曲、器楽曲、歌曲、合唱曲など多岐にわたり、特に『トランペットとピアノのためのソナタ』はトランペット奏者のレパートリーとなっている。1956年以降は教育活動に専念し、著書「Counterpoint」(本書)と「The Technique of Orchestration」は、現在もアメリカ国内で作曲の教科書として広く使用されている
小櫻秀樹[コザクラヒデキ]
東京藝術大学作曲科卒業、同大学院修了。文化庁在外研修員としてニューヨークに滞在。その後、王立ストックホルム音楽大学大学院作曲専攻修了。名古屋音楽大学専任講師、准教授を経て、名古屋音楽大学教授、愛知県立芸術大学非常勤講師。これまでに野田暉行、三善晃、Tristan Murail、P¨ar Lindgren、Bent Sorensen、Daniel F´igolsに師事。野村学芸財団奨学金、日本交響財団振興賞、名古屋文化振興賞、第1回武満徹作曲賞2位(1位なし)、文化庁舞台芸術奨励賞、ベルリン科学文化賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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