出版社内容情報
1991年の出版以降、フランスの各音楽院で多くの教員や学生が信頼を寄せる「アナリーゼ(分析)」に関する手引書の、待望の日本語版。約700語からなる「音楽用語集」も収録。音楽をどのように理解するか、を重視し実際の楽曲を例にしながら手ほどきしてゆく。校正協力として携わっていただいた金澤正剛氏いわく、本書は「音楽史でも、音楽辞典でもなく、音楽作品を分析するにあたって何をすべきかを具体的に示してくれるガイド」である。
第1部では旋律、和声、リズムなど、さまざまなアプローチからの分析例を示す。第2部は「音楽用語集」が、さらに第3部にはアナリーゼに不可欠な、旋法や和声学の基礎や、オーケストラで使われる楽器一覧など12の図表が収められている。日本の読者のために、フランスで長く音楽教育に携わってきた原著者の意向を汲んだきめ細かな注釈も充実し、独学で学ぶ学習者も教科書として使用しやすい作りになっている。
目次
第1部 実習(分析の方法;形式の分析;主題による分析;旋律の分析;和声の分析 ほか)
第2部 図説・音楽用語集
第3部 図表(主要形式;調性語法の主要和音;終止形;旋法と音階;和声外音 ほか)
著者等紹介
野平多美[ノダイラタミ]
国立音楽大学附属音楽高等学校を経て、同大学を卒業。パリ国立高等音楽院において作曲理論各科(和声、対位法、フーガ、管弦楽法)を卒業。1990年から2002年までの12年間、国立音楽大学非常勤講師を、またその間に東京学芸大学非常勤講師を1年間務めた。作曲家としては、“祇園精舎ファンタジー”(琵琶、va/長須与佳編祇園精舎を底本にして/2020・紀尾井ホール委嘱)、“Water drops”(2017・福田進一委嘱)、“亡き王女のためのパヴァーヌ”(sop.sax,str./クロード・ドラングル委嘱)ほか作・編曲を多く手がけている。音楽評論家としては、「音楽の友」「ムジカノーヴァ」各誌で演奏会批評やCD批評を担当し、とりわけ近代フランスの音楽や作曲家についての論評で健筆を揮うほか、トッパンホールの企画アドヴァイザー(1999~2001)、軽井沢の音楽祭、都内の演奏会などの公演企画に携わる。2018年には、野平一郎作曲の室内オペラ「亡命」の台本を書き下ろし、話題になった。一方、東京・日仏会館の依頼による「プーランクとその時代」(2008)、「ダリウス・ミヨーとその音楽の秘密」(2016)や、朝日カルチャーセンター・新宿における「ドビュッシーの歌曲について」(2018)、「フランスものの魅力の秘密」(2021)など、また所属する日本フォーレ協会における講演もしばしば行っている。現在、お茶の水女子大学非常勤講師、2005年よりアフィニス文化財団研鑽助成委員、2018年より同財団理事を務めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- 医者がすすめる不養生