理論・方法・分析から調性音楽を読む本

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  • サイズ A5判/ページ数 149p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784276101623
  • NDC分類 761
  • Cコード C1073

出版社内容情報

フランスの学問的伝統に立ち、「調性音楽とは何か」を読者とともに見つめ直す思索の書。ベートーヴェン等の楽曲を分析していく。

フランスの学問的伝統に立ち、「調性音楽とは何か」を読者とともに見つめ直す思索の書。これから調性音楽の思索に入ろうとする者が、ぜひ知っておくべき基本的事項(音程と協和、長調と短調等々)が綿密に再検討され、そうした知識を踏まえ、ベートーヴェン、ショパン、シューマンの楽曲について、論理的・分析的探求がスリリングに展開される。読者は本書を通じて、感覚的理解と知的理解が橋渡しされる特権的な場所としての音楽、そしてそれを可能にする音楽の理論的・分析的考察の重要性を再認識するであろう。かのデカルトを生んだ国の著者ならではの、「数字付け」の規則の明晰な説明、反行短調から見た「ナポリの六」の斬新な解釈など、読みどころ満載。わたしたちにとって最もありふれた音楽でもある調性音楽を正面から取り上げた本として、音楽に関心のあるすべてのかたに自信をもってお勧めする。

日本語版について/まえがき
●序論 調性とその様々なモデル 構造主義言語学からシステム理論まで
1.音楽と言語/2.『一般言語学講義』(1916)の要点と調性音楽/3.構造主義、ゲシュタルト理論、システム理論
●第1章 音程と協和
1.平均律において「合っている」ということ/2.オクターヴ、完全5度、完全4度/3.長短3度ならびに長短6度/4.長短2度ならびに長短7度/5.増音程と短音程/6.増4度、減5度、増5度
●第2章 ラモーの理論とその先駆
はじめに/1.ザルリーノ:長短の対のシステムの誕生と、ひとまとまりの構造としての「ハルモニア・ペルフェッタ harmonia perfetta」/2.リッピウスと母構造としての三和音(1612)/3.ラモーと根音バス(1722)
●第3章 短調論
1.長短の和声二元論/2.旋律から見る短調と和声から見る短調/3.ショパンとシューマンの事例
●第4章 数字付け〔あるいは、数字による表記法〕と調性の諸機能
1.数字付け〔あるいは、数字による表記法〕の概要/2.和音を構成する音程の数字による表記法/3.音度と根音バスのローマ数字による数字付け〔あるいは、数字による表記法〕とリーマンの調機能/4.英語圏の数字表記法
●第5章 古典期の調性に潜むもの
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第30番―プレスティッシモ楽章におけるソナタ形式と四小節枠
1.主題、楽節、四小節枠:その技術的・歴史的展望/2.ピアノ・ソナタ作品109のプレスティッシモ楽章
●第6章 協和と不協和、弛緩と緊張、安定性と不安定性-シューマンの<詩人は語る>を例に
1.問題の状況/2.不安定性を計るものさしとしての和音の「緊張係数」/3.シューマンの<詩人は語る>
●第7章 シェンカーの理論とシェーンベルクの理論
1.ハインリヒ・シェンカーと『自由作法』(1935)に見る究極の還元/2.アルノルト・シェーンベルクと『和声の構造的諸機能』
●第8章 その先の調性、あるいは、調性の先
1.発展変化の土台:19世紀にける和声と調性の実践/2.20世紀の大改革
結び/参考文献/訳者あとがき/人名索引(和文/欧文)

【著者紹介】
音楽学者・トゥール大学准教授。博士。研究領域は、西洋芸術音楽の音楽理論・分析ならびにロマン主義からシュルレアリスムに至る文学、諸芸術、思想と西洋芸術音楽との関係。シューマン、またドビュッシーをはじめとする20世紀前半の作曲家についての論文多数。単著としては、本書の他に『ベルリオーズからドビュッシーに至る、フランスの旋法音楽』(Champion社)など。

内容説明

フランスの学問的伝統に立ち「調性音楽とは何か」を思索する書。

目次

序論 調性とその様々なモデル構造主義言語学からシステム理論まで
第1章 音程と協和
第2章 ラモーの理論とその先駆
第3章 短調論
第4章 数字付け(あるいは、数字による表記法)と調性の諸機能
第5章 古典期の調性に潜むもの―ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第30番プレスティッシモ楽章におけるソナタ形式と四小節枠
第6章 協和と不協和、弛緩と緊張、安定性と不安定性―シューマンの“詩人は語る”を例に
第7章 シェンカーの理論とシェーンベルクの理論
第8章 その先の調性、あるいは、調性の先

著者等紹介

ゴナール,アンリ[ゴナール,アンリ] [Gonnard,Henri]
音楽学者・トゥール大学准教授。博士。研究領域は、西洋芸術音楽の音楽理論・分析、ならびにロマン主義からシュルレアリスムに至る、文学、諸芸術、思想と西洋芸術音楽との関係。シューマン、また、ドビュッシーをはじめとする20世紀前半の作曲家についての論文多数

藤田茂[フジタシゲル]
音楽学者・東京音楽大学准教授、明治学院大学非常勤講師。博士。研究領域は、20世紀・21世紀フランス音楽、ならびに、その美的理解にもとづく理論構築と音楽分析(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Chikashi Haruna

0
入門書としてはとても良い本であると思う。次にどう進めば良いかわからない。この本の続編的なものを望みたい。2016/08/28

夏木

0
思索的内容を含む。もっと具体的に肉付けしたい。2018/05/16

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