出版社内容情報
楽譜をいかに読み、音をどう組み立てるのか、そのために必要な知識・練習計画・感情をいかに認識、学習し、発展させるかを説く。
本書は、特定の楽器のための“演奏テクニック論”ではなく、特定の作品の“楽曲分析”でもない。楽譜をどのように読み、そこからどう音を組み立てて演奏していくのか、そのために必要な知識・練習計画・感情や表現を、どのように認識し、学習し、発展させるのか、を精神論にとどまらず、具体的に説いた本である。著者は、チェリストで教育者でもあるゲルハルト・マンテル。音楽の演奏と自然の原理を絡めている点も本書の魅力の一つと言える。例:「私たちの知覚は、変化しないものは信じられないくらいの速さで消えてゆく(蛍光灯の唸り音が徐々に聞こえなくなっていくように)…このことは音どうしの関係についてもあてはまる…/すべての生命現象は直線的ではなく曲線的に変化するので、生命現象のひとつである音楽も均質で均一であることは稀である…。」チェロに限らず楽器を演奏するすべての人に、深い感動と発見を呼び起こす一冊である。
はじめに
日本語版によせて
1.演奏に必要なのは直観か頭脳か?
2.楽譜を読むとは?
3.パラメーターを聴こう
4.リズム
5.強弱法
6.アーティキュレーション
7.音色
8.テンポ
9.自分らしさをどこまで出していいの?
10.しくみを知って演奏しよう
11.特徴をつけて演奏しよう
12.変化をつけて演奏しよう
13.ズレのある演奏をしよう
14.演奏につながりを持たせよう
15.音楽をイメージしてみよう
16.表現とコミュニケーション
17.自分らしい演奏を求めて
訳者あとがき
参考文献一覧
【著者紹介】
ゲルハルト・マンテル:1930年ドイツ生まれ。フランクフルト(マイン)芸術大学教授、国際的なチェリスト。2000年ドイツ連邦共和国功労勲章。「ヨーロッパ弦楽器指導者協会」ドイツ支部名誉代表。1996年に音楽教育研究所を設立し、国内外で多くのセミナーを行う他、コンクールの審査員も数多くつとめる。著書に「チェロ奏法」「やさしい練習法」「ステージであがらないために」「イントネーション―どこまでずれていいのか?」(いずれも未邦訳)など多数。
内容説明
演奏者自身がいいと思っているように演奏するだけではだめで、演奏者がいかに曲を理解したのかがわかるように演奏しなくてはなりません。『書かれてある通りに』演奏するのではなく、なぜそのように書かれてあるのかが、人が聴いてわかるように演奏することが大切です。音楽を学び、教える人の必読書。
目次
演奏に必要なのは直観か頭脳か?
楽譜を読むとは?
パラメーターを聴こう
リズム
強弱法
アーティキュレーション
音色
テンポ
自分らしさをどこまで出していいの?
しくみを知って演奏しよう〔ほか〕
著者等紹介
マンテル,ゲルハルト[マンテル,ゲルハルト][Mantel,Gerhard]
1930年ドイツ生まれ。フランクフルト(アン・マイン)芸術大学教授、国際的なチェリスト。2000年ドイツ連邦共和国功労勲章。「ヨーロッパ弦楽器指導者協会」ドイツ支部名誉代表。1996年に音楽教育研究所を設立し、国内外で多くのセミナーを行う他、コンクールの審査員も数多くつとめる
久保田慶一[クボタケイイチ]
1955年生まれ。東京芸術大学大学院修了。音楽学博士。東京学芸大学教授を経て、国立音楽大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。