内容説明
カントが開拓した近代の形式原理とは何か。この主流に抗して十九世紀ドイツの自然法論(法哲学)が提起した、新たな「諸善の秩序」としての万有の交互的な生の諸関係=「人類的生」の構想に光を当てる。
目次
第1部 近代原理の成立とドイツ国家学(ドイツ国家学と経済学―カール・ハインリヒ・ラウの「官房学の再編成」を中心に;質料倫理問題としての生活課題―「カント後」問題とヘーゲル;近代原理の形式性とドイツ国家学の実質性)
第2部 ドイツ国家学におけるモールとアーレンス(十九世紀ドイツの自然法論と「社会」の発見;アーレンスのカント批判と生の目的論;アーレンスにおける生の条件と人格権;サン-シモン主義をめぐるハイネ、アーレンス、モール)
第3部 クラウゼの調和の法哲学とゲマインデ体制(カール・クリスティアン・フリードリヒ・クラウゼ―その法哲学の諸前提;カール・クリスティアン・フリードリヒ・クラウゼの人類論における交互的生の社会構成論;カール・クリスティアン・フリードリヒ・クラウゼの調和の法哲学と社会改革)
第4部 ゲマインデ自治の制度化への挑戦(自治体社会政策と給付行政―十九世紀末ドイツの問題史的展望;社会民主主義と自治体政策―フーゴ・リンデマンのゲマインデ行政改革論)
著者等紹介
木村周市朗[キムラシュウイチロウ]
1949年生。一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位修得退学、成城大学経済学部教授、テュービンゲン大学客員教授などを経て、成城大学名誉教授、博士(社会学)。専攻、社会思想史、社会政策(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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