内容説明
日本政府は2022年の国際女性デーに「女性の経済的自立」を掲げ、それを「新しい資本主義」と結び付けて見せた。しかし現実は、まだまだ差別ばかりでなく、コロナ禍、ウクライナ問題、日本の軍事化など、大きな問題を抱えている。日本での100年目の国際女性デーは、こうした問題とも取り組むのだ。本書は、この先の運動に役立つことを願い、過去100年の資料を集めて記録したものである。
目次
国際女性デーの歴史に関連する先行研究・文献、本書の課題
第1部 起源をめぐる伝説―アメリカ社会党、第二インターナショナルから第三インターナショナルの時代まで(起源:伝説から史実へ―20世紀初頭のアメリカ社会党の女性参政権運動;第二インターナショナルでの国際女性デーの国際化 ほか)
第2部 日本への国際女性(=婦人)デーの伝搬―日本における戦前そして戦後1960年代まで(日本への伝搬;最初の国際婦人デー―「赤瀾会」、「八日会」、「種蒔き社」;弾圧の時代の日本の国際婦人デー―国際婦人デーはどう繋がれていったか ほか)
第3部 国連の時代の国際婦人デー―国連が定める「国際デー」となって(国際婦人デーは国連の「国際デー」の1つとなる―「国際婦人年」と「国連婦人の10年」(1975~1986年)の流れのなかで
1980年代の国際婦人デー―コペンハーゲン・ナイロビ世界女性会議と冷戦時代の終わり ほか)
第4部 21世紀の国際女性デーと日本の100年(21世紀の国際女性デーの広がり―21世紀の最初の10年:2001‐2010年;2011年から2016年の国際女性デー―国際女性デー100年とUN Women ほか)
著者等紹介
伊藤セツ[イトウセツ]
1939年函館生まれ。1962年北海道大学経済学部卒業。1968年同大大学院経済学研究科修士課程を経て博士課程単位取得満期退学。経済学博士(1984年北海道大学)。1968‐1989年北星学園女子短期大学、東京都立立川短期大学講師‐助教授‐教授。1989‐2009年昭和女子大学教授。同大女性文化研究所所長、大学院生活機構研究科長を経て(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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