出版社内容情報
「他者の所有」というテーマを考えている内に、実は、人はそもそも所有などしなくても良いのではないか、また本当は、他者などいないのではないかという思いに強く囚われるようになり、またそういう関心で、アガンベンやジジェクを読み進めて行き、ついにはその思いをさらに1冊の本にしたいと思うようになった。
高橋一行[タカハシカズユキ]
1959年東京生まれ 東京都立大学理学部、明治大学大学院政治経済研究科で学ぶ。 明治大学教授。
目次
1 所有しないということ―アガンベンをヒントに(例外状態;所有しないということ―ヘーゲル;所有しないということ―ロック;所有せざる人々―現代社会における喪失;所有せざる人々―鬱;所有せざる人々―コピーフリー;否定の弁証法)
インタールード1 デリダのメランコリー論
2 他者の非在―ラカンを参照する(ジジェクのラカン像;ラカンの鬱論;サントームとは何か)
インタールード2‐1 ヘーゲル「論理学」の「否定の否定」と「無限判断」の解釈について―高橋一行『他者の所有』を読む
インタールード2‐2 相馬氏の批判を受けての再批判
3 ヘーゲルを繰り返す(偶然の体系『自然哲学』を読む;病の体系『精神哲学』を読む;カント戦争論vs.ヘーゲル平和論『法哲学』を読む)