内容説明
全国の市町村数を約4割も減少させた「平成の大合併」とはなんだったのか!「国家のリスケーリング」という世界的に議論が進んでいる社会と空間の関係に関する理論の視座を大胆に用い、「空間」と「国家」をめぐる社会変動のなかに「平成の大合併」という現象を位置づけて、その本質を解明する。同時に、「平成の大合併」をめぐるローカルスケールの政治経済過程に焦点をあてることで、個々の地域でこの国家政策への対応が分かれたメカニズムを明らかにする。
目次
「平成の大合併」の政治社会学に向けて―本書の課題
国家のリスケーリングとローカルレジーム―本書の視座と方法
第1部 編入合併する側の「中心」都市―旧浜松市の場合(資本のリスケーリングと「グローカル」工業都市のリストラクチュアリング―「平成の大合併」の経済的基盤;地方工業都市における「開発主義レジーム」の形成―「平成の大合併」の政治的基盤;「危機」から「合併」へ―新しい開発主義としての「平成の大合併」)
第2部 編入合併される側の「周辺」山村―旧佐久間町の場合(「外部依存」の歴史的経路;「平成の大合併」と「周辺」の論理―開発主義の終焉としての「平成の大合併」;「平成の大合併」をめぐる住民意識の構造)
第3部 ポスト「平成の大合併」のローカルガバナンス―浜松市天竜区佐久間町の場合(「平成の大合併」と村落自治の再編成;合併後の公共サービスを誰が担うのか―新しい住民組織の可能性;多スケール型ガバナンスの構想と現実―地域自治区を中心に)
「平成の大合併」とはなんだったのか―本書の結論と展望
著者等紹介
丸山真央[マルヤママサオ]
1976年、神奈川県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、朝日新聞社勤務を経て、一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員などを経て、滋賀県立大学人間文化学部准教授。博士(社会学)。地域社会学、都市社会学、政治社会学専攻。主な論文に「国家のリスケーリングと都市のガバナンス―「平成の大合併」の地方政治を例に」『社会学評論』62(4)、2012年(第6回地域社会学会奨励賞論文部門受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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