内容説明
本書は、2011年3月に発生した東北地方太平洋沖地震による津波で甚大な被害を受け、今も風評などで苦しみ続けている福島県の浜通り地方を事例にして、メディアをはじめとして「フクシマ=原発」というイメージに閉じこめようとする(原発事故や津波被害などによる)被災コミュニティの実態をみていくとともに、それらが震災前の地域資源(人と活動)に大きく依拠することを示す。これらの分析と解釈を通じて、「3.11(東日本大震災)が社会を変える/変えた」といった言説にはさほどリアリティがなく、そこに住まう/住んでいた人びとは震災前後も「さほど」変わらないことを、質問紙調査と聞き取り調査の両面から明らかにした。
目次
コミュニティは変わったのか
第1部 地域のネットワーク組織と商業活性化―「道の駅」よつくら港を事例に(「道の駅」化に向けた地域の役割―「道の駅」以前と開業後;活性化がもたらす運営組織内外の葛藤―震災前;「道の駅」が果たす復旧・復興への役割―震災後)
第2部 被災後の地域による温度差―いわき市自治会調査などを事例に(合併による広域自治体の地域差―自治会長調査から;復旧・復興に向けた地域住民組織の果たす役割;住まい、安全・安心、利便性の葛藤―沿岸部の事例から)
第3部 コミュニティの構築/再構築のはざまに―楢葉町・富岡町を事例に(大震災がもたらすコミュニティの変容―コミュニティ調査から;仮設/広域自治会の実態と課題―自治会長・居住者調査から;震災前後におけるコミュニティ・リーダーの出来)
むすびにかえて
著者等紹介
松本行真[マツモトミチマサ]
1972年茨城県に生まれる。1996年中央大学理工学部土木工学科卒業。2002年東北大学大学院情報科学研究科博士課程後期修了。株式会社JMR生活総合研究所。2007年福島工業高等専門学校コミュニケーション情報学科専任講師。2013年東北大学災害科学国際研究所准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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