出版社内容情報
2008年5月30日に重版が出来ました。
内容説明
贈り物と交換という日常の行為とその歴史、そこから簇生するさまざまな問題を通して人間性の総体を問う。
目次
1 触れ合うことの心理と論理
2 贈り物をするサル
3 交換する人間
4 互酬、再配分、市場交換
5 贈り物と交換
6 市場、政府、人間
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Omata Junichi
1
文化人類学の、「はじまり」を探る分析はとても面白い。「受け取る=与える」という対照的関係にもとづく行為が、貨幣によって「売る」「買う」という非対称的関係に分離される。それにより、人間は時間を円環ではなく直線で感覚するようになり、時間の差異を利潤に変える金融業が生まれる。勉強になりました。バレンタインで、「いつもお世話になっています」といって渡されるチョコレートを、単なる資本の論理だと片付けずに互酬的な交換って解釈したら、ちょっと楽しくなるかもって思いました。2013/02/17