出版社内容情報
在庫3部 2002年2月22日現在
内容説明
われわれの知り得たユーゴ紛争の情報は正しいか。長い間、ユーゴスラヴィアの自主管理社会主義とポーランドの集権制社会主義を比較研究してきた著者は空爆下の現地を訪れた。最新論文「ユーゴスラヴィア空爆とミロシェビィチの事実―NATOは何を狙っているのか」を収録した本書で、実らなかった和平交渉、紛争の長期化、空爆の劇に至るまでの著しく欧米メディアに偏った情報を糺す。
目次
第1章 旧ユーゴスラヴィア多民族戦争の経済関係的諸原因
第2章 戦乱のクライナ・ボスニア紀行―「民族浄化」、国連、NATOの下の民衆
第3章 内戦は終わったか―ベオグラードからの三つのレポート
第4章 旧ユーゴをめぐるヨーロッパ的偏見
第5章 『文明の衝突』とコソヴォ紛争
第6章 黙殺された民族共生の努力
第7章 セルビア大統領夫人ミーラ・マルコヴィチ著『ナイトアンドデイ』監訳者解説
第8章 ユーゴスラヴィア空爆とミロシェヴィチの事実―NATOは何を狙っているのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺
7
1999年刊。著者は経済学者でソ連とユーゴスラビアの経済システムの比較について論文を書いたことがある。ユーゴ紛争がまだ続いている時期に何度も自らその地を旅して現地の人々と会話をし、現地のメディアを読み、そうした体験も踏まえて書かれたのが本書。当然レポートもある。 著者の専門である経済学的要因の分析。これは民族的対立という形をとった階級形成闘争との事で、もともとムスリム人が大地主でセルビア人が小作人という大勢で、それがユーゴ連邦時代に土地の分配が実施された。しかしそれが元に戻るとなると大混乱が生じる。→2023/02/09