目次
第1部 ブラジル社会におけるエスニック日系人(異文化接触と文化変動;先祖、天皇、移民 ほか)
第2部 異文化接触と適応ストラテジー(日系人の和魂伯才論;アイデンティティと適応ストラテジー ほか)
第3部 エスニシティとアイデンティティ(日系人のエスニシティとアイデンティティ;国家・ひと・エスニシティ ほか)
第4部 非相続者の倫理・マイノリティの価値観(「ブラジルのカーネギーとなれ」;若き中尾熊喜;ブラジル、日本、日系人)
感想・レビュー
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Aminadab
20
仕事がらみで大冊503頁を通読。前山隆(1933~)は日系ブラジル人研究の第一人者で、本書(1996年)は前半生の研究の集大成。第1部は米コーネル大学と現地を行き来しながら物した博士論文の集約、戦後生長の家など日本宗教の大流行を勝ち組からの流れで検討、第2部は移民のアイデンティティを1908年笠戸丸に遡り総括、第3部は1930年代日系排斥下の学生聯盟、第4部は裸一貫から立身した実業家中尾熊喜の個別研究。従来の文化変容論を斥け、移民の自己像は一人一人の適応ストラテジーに関連して形成されるとする。必読文献!2022/07/09