内容説明
本書は、タイにおける熱帯林破壊と貧困化について論じたものである。とくに、地域社会の再生産が自然の再生産を攪乱し、そのことによって自然の物質循環の一環に組み込まれている社会の再生産そのものが危機に陥っていること、そしてこの社会的危機は、この国の資本蓄積様式のそもそもの「原罪」ともいうべきものであること、を不十分ながら実証したつもりである。
目次
第1章 農村過剰人口と森林破壊
第2章 森林破壊と生態系攪乱
第3章 林業資本とエンクロージャー
第4章 EC共通農業政策とタイのタピオカ産業
第5章 土地なし世帯と貧困の諸形態