内容説明
日本移民学会創設20周年記念論文集。移民研究の視点から現代日本社会における多文化共生の現状と課題にアプローチする。
目次
移民研究から多文化共生を考える
第1部 海外における多文化主義・社会的統合論(隠された多文化主義―オーストラリアにおける国民統合の逆説;多文化主義をめぐる論争と展望―カナダを中心に;「並行社会」と「主導文化」―移民国化するドイツの社会的統合)
第2部 日本から海外へ―移民の経験とアイデンティティ(出移民の記憶;世代の言葉でエスニシティを語る―日本人移民はいかに「日系アメリカ人」になったのか;二重のマイノリティからマイノリティへ―ハワイ沖縄系移民史にみる社会的カテゴリーの変遷;日本帝国圏内の人口移動と戦後の還流、定着)
第3部 日本で生きる―越境から共生へ(ポスト植民地主義と在日朝鮮人―帝国崩壊後の民族関係の変遷に着目して;無国籍「在日タイ人」からみる越境移住とジェンダー―多文化共生支援から取りこぼされる人々;在外ブラジル人としての在日ブラジル人―ディアスポラ意識の生成過程;橋を架ける人びと―多文化共生メディアの挑戦)
第4部 移民研究へのアプローチ(移民を研究する―移民調査研究の今とこれから;移民研究と米国人口センサスをめぐる史・資料―接近と課題;移民学習論―多文化共生の実践にむけて;アメリカ移民史研究の現場から見た日本の移民史研究)