内容説明
直接立法が新たな公共圏に与える位相のありよう(市民統治をめざす新たな公共圏の創世の問題)について、三つの問題構成で提起する。(1)直接立法の成立と展開を推進した住民の運動論とそのバックグランド(思想)、(2)直接立法が地域社会に与えてきたインパクト(作用)、(3)そして、市民が公共につながる権限・権力を直接把持する市民統治の組織化がどのように可能か(市民オルタナティブ)。
目次
1部 ガバナンスにおけるアメリカの直接立法と市民オルタナティブ(ローカルガバナンス論におけるアメリカの直接立法;現代アメリカにおけるイニシアチブとレファレンダムの浸透状況 ほか)
2部 アメリカの直接立法の歴史的展開と思想(19世紀末アメリカにおける直接立法の生成と思想的基盤―ウィリアム・サリヴァン『イニシアチブ及びレファレンダム』による市民の直接立法(1892年)を通じて
イニシアチブの実施開始における推進基盤―全米で初めておこなわれたイニシアチブ実施(オレゴン州)を事例に ほか)
3部 アメリカ社会に対する直接立法のインパクト(「プロポジション13」(1978年)の地方財政諸体系に対する影響
イニシアチブと都市成長管理 ほか)
4部 公共の権限と市民オルタナティブ―だれが公共の権限を直接把持するのか(イニシアチブと市民統治の特別公共団体の設立―シアトル・モノレールプロジェクト公共団体の社会的実験;ネイバーフッドガバメント論の地平における市民オルタナティブ ほか)
著者等紹介
前山総一郎[マエヤマソウイチロウ]
1959年東京都に生まれる。1990年東北大学大学院博士後期課程単位取得満期退学。2006年米国ワシントン大学Urban Studies学部上級客員研究員。2008年文学博士(社会学)(東北大学)。現職、八戸大学ビジネス学部教授(専攻、共生社会学、公共社会学、歴史社会学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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