内容説明
われわれはモラルの理論においてと同様、数学や自然科学においても理論の原理的不完全性といった事態に遭遇する。まさしく、科学論においても、否、科学論においてこそ、現実に密着した思索の方法、つまり弁証法の出番はあるのである。そしてそれこそ、不断の小品批評=ミニマ・クリティカの方法にほかならない。―このような同時代批判を、歴史の天使は強く要請しているのである。
目次
現代科学における二つの課題
科学史=学問的方向の転轍機―科学史研究の現代的位相
ガリレオ、デカルトと東アジアを結ぶもの―16世紀イエズス会の数学教育
ニュートンとSDIと―日本科学史学会年会点描
ワールブルク研究所のこと、フランセス・イエイツのこと
現代科学史科学哲学研究の旗手トーマス・クーンの来日にあたって
淡中忠郎先生の最後の手紙
認識論的アナーキストの科学論?―R・K・ファイヤアーベント『方法への挑戦―科学的創造と知のアナーキズム』
近代機械論的科学の確立史―R・S・ウエストフォール『近代科学の形成』
ニュートン研究の現在
若きアインシュタインの異端としての科学への旅立ち
マルクス主義科学論の再活性化をこそ―高木仁三郎『いま自然をどうみるか』
生誕100年目のアインシュタイン―プリンストン便り
東北大学学生の頃・東北大学新聞社自立の頃
宿命のヤーヌスの相貌―広松渉論
『ドイツ・イデオロギー』を読む―若きマルクス・エンゲルスの歴史への態度
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