内容説明
文化装置の解読。ナチスとはどのような人びとか!?1933年に製作された劇映画『ヒトラー青年クヴェックス』の分析を通し、ナチスを再生産するプロパガンダの構造を解明する。文化人類学、精神分析等の方法を縦横に駆使した、文化のエピステモロジー。訳者による解説「『ヒトラー青年』をどう見るか」(平井正)「精神のエコロジスト」(宇波彰)を付す。
目次
なぜこの映画を選んだか
ナチズムの性質
「ヒトラー青年」をどう見るか?(平井正)
精神のエコロジスト(宇波彰)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
4
映画は孤独な集団的メディア操作の装置である。集団性は特異性によって批判できると思われているが、特異性も科学的監察や実験で個別なものとしてデータ化され、メディアを通じて集団を形成可能になる(特異性を擁護する哲学も書物メディアを経ている)。ナチスの民族性を調査する著者はデータを集団によって集団を操作するメディアとして注目する。個々人に訴えるために、無意識に習慣化したエートス等の民族的フレームを、メディアはどう作り出し活用するのか、という集団の動態がナチスの映画の分析から文化のエピステモロジーとして考察される。2017/02/16
J_L_B_459
1
考察はかなり難解2019/08/24