内容説明
ポルトガル植民地権力と闘い、1975年に独立を果たしたモザンビークの人びと。その脱植民地化の道程は、東西冷戦下の国際関係において「ナショナルな統一」の成功例として世界の大きな注目を集めた。しかし、1977年に勃発し16年間におよんだ反政府ゲリラとの紛争では、死者100万人、国内外難民が数百万人という未曾有の苦難を生む。現代モザンビーク政治に暗い影を落とすこの社会的分断はなぜ生まれたのか。地域社会に生きる人びととその歴史や社会構造、ポスト冷戦期の国際政治にも目を配り、複層的視点で解明を試みる。
目次
序章 「統一」と「分裂」の起源を求めて
第1章 「モザンビーク」の出現と植民地支配下における社会変容
第2章 マウア地方の特徴と植民地支配の確立過程
第3章 モザンビーク解放闘争前史
第4章 一九六〇年から七五年までの世界とモザンビーク解放闘争
第5章 解放闘争期におけるマウア区
終章 解放闘争と独立紛争
著者等紹介
舩田クラーセンさやか[フナダクラーセンサヤカ]
京都府生まれ。国連モザンビーク活動選挙部門オフィサー(UNV)、日本政府派遣ボスニア・ヘルツェゴビナ選挙監視要員(在オーストラリア日本国大使館三等理事官)、日本学術振興会特別研究員、津田塾大学国際関係学研究所研究員を経て、2006年津田塾大学大学院国際関係学研究科修了(国際関係学博士号取得)。現在は、東京外国語大学外国語学部講師。専攻は、国際関係学(アフリカ地域研究)。所属学会は、日本アフリカ学会・日本国際政治学会・日本平和学会(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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