内容説明
国家潅漑公社の契約農民として入植した農民たちが、90年代後半、コメの生産・販売の自由化を求めて実力行使(コメの納付拒否)で水田経営の脱国営化の道を選んだ。新しい時代を創造する地域社会の動向を人類学的手法で丹念にまとめる。
目次
第1部 ケニア山南麓の景観と歴史(ケニア山南麓における人類学調査;ギクユ人社会の植民地経験;ムエア開拓をめぐる葛藤(一九一〇~四〇年代) ほか)
第2部 開発フロンティア社会の形成と変容(開発フロンティアへの入植;ムエア潅漑事業区の生活世界;開発計画の運営―その成立から「崩壊」まで)
第3部 生計維持のための社会的実践(第二世代の経済的戦略;親族と姻族のネットワーク;資源としての「伝統」―クラン講の成立をめぐって)
総括と展望―ケニアの開発と地域社会
著者等紹介
石井洋子[イシイヨウコ]
1970年東京生まれ。東京都立大学大学院社会科学研究科社会人類学専攻修了。博士(社会人類学)。日本学術振興会特別研究員を経て、現在、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所研究機関研究員。社会人類学、アフリカ民族誌学、「開発と文化」研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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