出版社内容情報
【セールスポイント】
生物の世界から、自律適応のメカニズムを探る
【発刊の目的と内容】
本書は、生物の性質を生物特有のものとはみなさず、工学的にも実現可能な性質と考え、工学的なモデルで表せるような性質として生物を理解する立場から、生物組織にみられる自律適応のメカニズムとその応用について紹介している。したがって、工学系と生物系の境界領域とも呼べる分野ととらえることができ、新たなシステム設計の可能性について多くの示唆を得ることができる。
【購読対象者】
システム工学、情報科学、生体科学関連の学生、技術者、初級研究者から社会科学系など文系の学生、一般読者の方
【詳細目次】
1章 不思議な素材♂人工の素材とは似ても似つかない生体組織♂生物の設計ポリシー♂まだよくわからない適応のメカニズム♂時間スケールによる適応方策の使い分け♂自律適応によるトータルシステムの最適化♂人工的な自律適応素材をめざして♂2章 重い枝は太くなる♂枝の形態についての美しい規則性♂理論的最適構造とよく一致する枝の形態♂自然成長と負荷をかけた枝の成長の観察♂応力感知のメカニズム♂適応のメカニズムの解明に向かって♂3章 荷重に適応する骨♂骨の構造とその巧妙さ♂リモデリングを繰り返す骨組織♂骨の構造の力学的観察♂力学的リモデリング実験♂リモデリングによる適応の数理モデル♂力学的刺激のトランスジューサ♂おわりに♂4章 血液循環系の適応制御にみられる最適化ストラテジー♂外界とのガス交換と水分保持♂血液の酸素輸送効率♂心臓のポンプ機能♂血管系の形態と機能♂血管内皮細胞のずり応力感受性♂毛細血管網構築♂おわりに♂5章 筋のトレーニング効果♂自律的に機能する筋システム♂骨格筋収縮のメカニズム♂筋のトレーニング効果と自律性♂運動反射機能の高まりと抑制機構♂運動単位の適応♂6章 神経系の学習メカニズム♂学習を実現する素材♂ニューロンの構造とシナプスの可塑性♂中枢神経回路網で見られる適応性♂適応性のメカニズム♂シナプス伝達の可塑性-海馬♂学習の工学モデル♂Hebbの学習則とデルタ則♂7章 無脊椎動物の細胞学習♂古典的条件付け♂ウミウシの学校♂神経細胞での情報符号化♂連合学習により神経細胞に起こる変化♂まとめ♂8章 神経ネットワーク形成とその可能性♂はじめに♂脳の発達期の過剰投射･異所性投射とその退化♂大脳-赤核投射の生後発達と可塑性♂シナプス発芽の機能的役割♂おわりに
内容説明
生物組織にみられる自律適応のメカニズムについて理解し、このシステムを工学的に応用できるかどうかその可能性を考える。
目次
１ 不思議な素材
２ 重い枝は太くなる
３ 荷重に適応する骨
４ 血液循環系の適応制御にみられる最適化ストラテジー
５ 筋のトレーニング効果
６ 神経系の学習メカニズム
７ 無脊椎動物の細胞学習
８ 神経ネットワーク形成とその可変性
