内容説明
インターネットでは、何百万というホストからホストへ、毎秒何億個ものパケットがIPアドレスだけを頼りに転送されています。どのIPアドレスのパケットをどこに転送すればいいのか、という情報は、ISPの間で、BGPを用いてやり取りされています。本書は、数あるインターネット上のルート情報を交換するルーティングプロトコルのなかで、インターネットのような大規模のネットワークの運用が可能な唯一の技術であるBGPについて、網羅的に解説した書籍です。BGPのプロトコルの仕様や、設定、インターネットにおける運用といった、あらゆる側面を詳解しています。さらに、BGPのセキュリティ、DDoS対策、ISPにおけるBGPの実際などについても言及しています。
目次
インターネット、ルーティング、BGP
IPアドレスアーキテクチャとBGPプロトコル
物理層の設計
IPアドレス空間およびAS番号
BGP入門
トラフィックエンジニアリング
ネットワークのセキュリティと整合性
毎日のネットワーク運用
停止が起こったとき(トラブルシューティング)
大規模ネットワークにおけるBGP
トランジットサービス
ほかのネットワークとの相互接続
著者等紹介
Beijnum,Iljitsch van[BEIJNUM,ILJITSCH VAN][Beijnum,Iljitsch van]
高校を中退する前からコンピュータによるコミュニケーションに興味を持つ。実際、彼の古いCommodore64にはハンダのあとが残っている。コンピュータのサポートとして働きながらも、自分の周りにあるネットワーク機器をいじれないもどかしさから、大学への進学を決意する。1年間、ハーグのHaagse Hogeschoolでコンピュータサイエンスを学びなから、Leiden Universityにて哲学を学ぶ。在学中に、インターネットに出会う。地方のISPで働きながら、Ciscoルータと、その上で動作するたくさんの興味深いプロトコル、特にBGPについて学んだ。勤めていたISPが南部へ移転したことを契機に、4名の仲間とともにPine Internet社を立ち上げるが、そこでの業務にはBGPの知識を生かすことができなかったので、UUNETオランダのシニアネットワークエンジニアとなり、フリーのネットワークコンサルタントとして活動する
近藤邦昭[コンドウクニアキ]
1970年北海道生まれ。神奈川工科大学・情報工学科修了。1992年に某ソフトハウスに入社、主に通信系ソフトウェアの設計・開発に従事。1995年株式会社ドリーム・トレイン・インターネットに入社し、バックボーンネットワークの設計を行う。1997年株式会社インターネットイニシアティブに入社、BGP‐4の監視・運用ツールの作成、新規プロトコル開発を行う。2002年株式会社インテック・ネットコアに入社、現在に至る。その他、日本ネットワーク・オペレーターズ・グループ(JANOG)の会長も務める
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。